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「指導者が口を挟まない」リーグ戦を計画 部員減る高校ラグビー、強豪監督が描く未来

昨春就任した松山吾朗監督の下で、静岡聖光学院高校ラグビー部の新シーズンは始まっている。1月29日に決勝戦が行われた県新人大会で優勝を果たし、好スタートを切ったが、ゴロー先生はグラウンド内外で新たな挑戦を準備し、すでに実行。昨年3月まで率いた神奈川・平塚工科高で、部活とクラブの並行運営などユニークな活動に取り組んできた指導者が、時短練習など静岡聖光学院の特徴的な活動をリニューアルしながら、新たな部活の在り方に着手している。(取材・文=吉田 宏)

花園ベスト8を目指す静岡聖光学院だが、部員全員がラグビーを楽しめる環境づくりにも挑戦している【写真提供:静岡聖光学院ラグビー部】
花園ベスト8を目指す静岡聖光学院だが、部員全員がラグビーを楽しめる環境づくりにも挑戦している【写真提供:静岡聖光学院ラグビー部】

静岡聖光学院ラグビー部「ゴロー先生の挑戦」後編、静岡での実現を目指す新たな構想

 昨春就任した松山吾朗監督の下で、静岡聖光学院高校ラグビー部の新シーズンは始まっている。1月29日に決勝戦が行われた県新人大会で優勝を果たし、好スタートを切ったが、ゴロー先生はグラウンド内外で新たな挑戦を準備し、すでに実行。昨年3月まで率いた神奈川・平塚工科高で、部活とクラブの並行運営などユニークな活動に取り組んできた指導者が、時短練習など静岡聖光学院の特徴的な活動をリニューアルしながら、新たな部活の在り方に着手している。(取材・文=吉田 宏)

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 今年度逃した花園出場に向けて、再発進となる県新人大会で優勝と、就任2年目の新チームは好スタートを切った。日本代表でトライゲッターとして活躍した小野澤宏時さんの長男・憲真(3年)をはじめ、スピード豊かなメンバーが、キックを使わずボールを動かし続ける新しいスタイルで掴んだ勝利。だが、最強のライバルである東海大静岡翔洋が大会途中で出場を辞退しており、真価が問われるのはこれからだろう。

 練習を終えた新キャプテンの藤田武蔵に、シーズンの意気込みを聞いた。

「目標は花園ベスト8です。高い目標ですけれど、自分たちの置かれた環境で、全力で努力して勝ち取れるように頑張っていこうと思います」

 そう語ってくれた時に、ちょうど下校を告げるチャイムがグラウンドに鳴り響いた。90分という部活の時間はここで終わり。生徒が次々と校門を目指していく。限られた時間の使い方が知恵の振り絞りどころだ。

「そうですね。毎日、朝に筋トレをして、毎週何セットやると決めたり、走り込みをしたりも自分たちでやっています。今年は体が小さいメンバーが多いので、テンポを大事にしています。テンポを速くすることを意識して、相手を置き去りにするラグビーをしていきたい」

 部活の在り方の1つとして注目される“時短練習”だが、実際にその活動を続けてきた当事者としてどんな受け止め方をしているのか。

「練習時間の短さは感じます。でも、この状況の中だからこそ、その中で何をするかと考えることを意識しています。それはすごく自分たちの練習のいいところだと思います。昼休みとかに自分たちで集まってミーティングをして、どこを意識しようとかを話し合っている。練習の質が変わっているかなと思います」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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