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箱根駅伝予選を1位通過、大東大“復活”の背景 真名子圭監督が選手に求め続けた意識改革

「チームを下げたい」と言ってきた選手はいない

――なぜ下げる場合は、理由がないとダメなのですか。

「きついことができないというところに逃げてしまうんですよ。競技者って、けっこう弱い部分があるんです。駒澤大とか強い大学に行けば、そういう弱さもなくなると思うんですけど、まだそこがうちは弱いところで、目の前の直面する厳しさから逃げてしまうので下げるのはダメ。ただ、本当に体調が悪いとか、足が痛い時もあると思うので、そういう時は相談しに来いと伝えています」

――これまで、下げてくださいと言って来た学生はいますか。

「何気にいないんですよ(笑)。逃げで下げようと言ってきた選手はいないです」

――大学の指導では、全体主義から個人主義に移りつつあります。真名子監督も選手個々のメニューを出すことはありますか。

「個人的なメニューを出すことはありますし、個別で指導することもあります。でも僕は、練習はみんなで一緒にやり遂げるというのがチームの一体感を生むと思っています。だから基本的には、みんなで集まってやっていくなかで少し差をつける感じが多いですね」

【第1回】箱根駅伝に4年ぶり出場、大東大を変えた6か月 真名子圭監督が重視した「その場の5秒」

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【第4回】駅伝は「いい子ちゃん」ではダメ 大東大監督、全日本14位で選手に伝えた箱根への覚悟

【第5回】留学生ワンジルの「1区はない」 大東大監督が断言、箱根駅伝シード権獲得へ描く戦略

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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真名子 圭

大東文化大 陸上競技部 男子長距離ブロック監督 
1978年生まれ、三重県出身。選手時代は大東文化大で箱根駅伝に4年連続で出場し、4年時には10区で区間賞の走りを見せた。本田技研(現・Honda)で競技生活を終えると、三重での高校教員を経て2012年に仙台育英高に赴任。陸上競技部長距離男子の監督としてチームを強化し、19年の全国高校駅伝で優勝した。今年4月、低迷していた母校に戻ると全日本大学駅伝、箱根駅伝と本戦出場に導いている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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