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駅伝は「いい子ちゃん」ではダメ 大東大監督、全日本14位で選手に伝えた箱根への覚悟

今年度の大学駅伝シーズンも佳境を迎え、毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝で2冠を達成した駒澤大を止めるのはどこか――。「THE ANSWER」では、勢いに乗る“ダークホース校”の監督に注目。今回は10月の予選会を首位通過し、4年ぶりに箱根路を走る大東文化大の真名子圭監督だ。今年4月に低迷していた母校の指揮官に就任すると、5年ぶりに全日本大学駅伝の関東予選を突破。11月に本大会に臨んだものの、結果は14位と振るわなかった。大東文化大として、久しぶりに襷を繋いだ全国の舞台で感じたこととは――。(取材・文=佐藤 俊)

大東文化大の真名子圭監督が14位に終わった全日本大学駅伝について振り返った【写真:編集部】
大東文化大の真名子圭監督が14位に終わった全日本大学駅伝について振り返った【写真:編集部】

箱根駅伝「ダークホース校の指導論」、大東文化大学・真名子圭監督インタビュー第4回

 今年度の大学駅伝シーズンも佳境を迎え、毎年1月2日と3日に行われる正月の風物詩、箱根駅伝の開催が近づいている。10月の出雲駅伝、11月の全日本大学駅伝で2冠を達成した駒澤大を止めるのはどこか――。「THE ANSWER」では、勢いに乗る“ダークホース校”の監督に注目。今回は10月の予選会を首位通過し、4年ぶりに箱根路を走る大東文化大の真名子圭監督だ。今年4月に低迷していた母校の指揮官に就任すると、5年ぶりに全日本大学駅伝の関東予選を突破。11月に本大会に臨んだものの、結果は14位と振るわなかった。大東文化大として、久しぶりに襷を繋いだ全国の舞台で感じたこととは――。(取材・文=佐藤 俊)

 ◇ ◇ ◇

 大東文化大は11月6日、全日本大学駅伝に5大会ぶりに出場した。10月15日には箱根駅伝の出場を懸けて予選会に出場し、トップ通過。そのため全日本大学駅伝でも、大東文化大は好成績を収めるのではないかと期待が膨らんだが、結果は14位に終わった。

――6月の全日本大学駅伝予選会から10月の箱根駅伝予選会のトップ通過まで、チームは上り調子で来ていたように見えていたのですが、全日本での14位という結果についてはどのように考えていますか。

「こうなるんじゃないかなという予兆はあったんです。確かに上り調子で勢いもありました。箱根予選会をトップ通過できると思っていなかったので、それができて嬉しかったんですけど、この後が怖いなって思ったんです。それでトップ通過した夜、学生を食堂に集めて話をしました」

――具体的に、どんな話をされたのですか。

「学生たちに話をしたのは、『1位通過は君たちの努力の結晶だから素晴らしいし、監督としてもOBとしても嬉しい。ただ、早稲田も東海も明治も2番以降になると思っていなかったはずだ。それらのチームは目の色を変えて、大東なんかに負けて恥ずかしいという気持ちで向かってくる。1位通過したことで、安心感や慢心が出てくるから気をつけよう。1位通過してダメだったとならないように、1位通過したからシード権も獲れたという風に持っていこう』と話をしました。でも、学生は1位通過した嬉しさが出てしまい、『俺たち、いけるでしょ』みたいな雰囲気が出てしまっていたんです」

――学生たちの行動で、そういう部分が見えたところがあったのですか。

「例えば、朝練終わりは自由時間なのですが、ある時、一部の選手がろくに体のケアもせず、朝食を摂ってその場でトランプをしていたんです。別に娯楽はいいのですが、今まではそうじゃなかった。朝はしっかりケアをして夜にトランプをしていたのに、朝練が終わって学校に行くまでの短い時間でやっていたということは、ケアの時間を削って娯楽に走っているわけです。慢心が行動として出てしまっていたので、これはダメかもしれないと思いましたね。あと、久保田(徹/3年)が調子を崩したり、大野(陽人/4年)が盲腸で薬を散らして走るなど、勢い良くここまで来たぶん、代償が出てきたなと思いました」

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真名子 圭

大東文化大 陸上競技部 男子長距離ブロック監督 
1978年生まれ、三重県出身。選手時代は大東文化大で箱根駅伝に4年連続で出場し、4年時には10区で区間賞の走りを見せた。本田技研(現・Honda)で競技生活を終えると、三重での高校教員を経て2012年に仙台育英高に赴任。陸上競技部長距離男子の監督としてチームを強化し、19年の全国高校駅伝で優勝した。今年4月、低迷していた母校に戻ると全日本大学駅伝、箱根駅伝と本戦出場に導いている。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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