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箱根駅伝、往路優勝の可能性「ゼロではない」 監督の情熱が東京国際大“旋風”導くか

東京国際大・大志田監督が考える駅伝監督の楽しさとは【写真:編集部】
東京国際大・大志田監督が考える駅伝監督の楽しさとは【写真:編集部】

駅伝監督の楽しさは「大会の結果を選手と共有できること」

 大志田監督は本田技研でコーチを辞めた後、10年ほど社業に専念して、2011年に東京国際大の駅伝部監督に就任、陸上の世界に戻ってきた。「取り柄が陸上しかなかったので、ありがたいなと思いますね」と笑みを浮かべるが、一度、陸上を離れたからこそ、その存在の大きさを実感することができたのだろう。実際、大志田監督は陸上の話をしていると非常に楽しそうだ。駅伝部監督が、まさに天職のように見える。

――駅伝部の監督の面白さとは、どういうところにありますか?

「箱根駅伝という日本中の皆さんが注目する大会に出られるということ。その大会の結果を選手と共有できることですね。1年間やってきて、この結果で良かったな、残念だったなと、結果に応じて気持ちが浮き沈んだり、活力をもらえたり、いろいろですが、やっていて楽しいです。もちろん大変なこともあります。土日は練習やレースがあり、夏は合宿なのでどこにも行けない。箱根が終わってもスカウティングがあります。365日、休みがありません。でも、苦じゃないんですよ。また、春に新しい選手が入って来て、次の目標に向かって一緒に頑張っていく。その繰り返しですが、走ることが好きと言いますか、楽しいんですよね」

――生涯、駅伝監督ですね。

「本田技研で走っていた頃、『若さとはなんだ?』と聞かれたんですが分からなくて、その時『若さとは年齢ではなく、考えることができるかどうかだ』と教わったんです。常に考えること、何かを求めることが若さなので、ここで監督をやる以上はボケちゃいけないなって思いますね(笑)」

 東京国際大の躍進は、10年の積み重ねもあるが、選手よりもたぶん走ることが好きな監督がいるからではないだろうか。優し気な表情の裏にある極めて冷静な視線と陸上への情熱で、レースで結果を出せるチームを作り上げてきた。

 出雲駅伝優勝は、序章に過ぎない。

 優勝候補として最初に名前が挙がる大学になることが、大志田監督が目指すチームになる。

(佐藤 俊 / Shun Sato)

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大志田秀次(東京国際大学駅伝部監督)


1962年生まれ、岩手県出身。選手時代は中央大学で箱根駅伝を走り、4年時には8区で区間賞。卒業後は本田技研に進み、86年アジア大会1500mで金メダルを獲得した。引退後は指導者の道に進み、2011年から東京国際大学駅伝部の監督に就任。創部5年目の16年箱根駅伝に初出場、20年に総合5位と短期間でチームを躍進させた。今季も勢いは止まらず、10月の出雲駅伝で初出場初優勝の快挙、11月の全日本大学駅伝でも5位に入った。

佐藤 俊

1963年生まれ。青山学院大学経営学部を卒業後、出版社勤務を経て1993年にフリーランスとして独立。W杯や五輪を現地取材するなどサッカーを中心に追いながら、大学駅伝などの陸上競技や卓球、伝統芸能まで幅広く執筆する。『箱根0区を駆ける者たち』(幻冬舎)、『学ぶ人 宮本恒靖』(文藝春秋)、『越境フットボーラー』(角川書店)、『箱根奪取』(集英社)など著書多数。2019年からは自ら本格的にマラソンを始め、記録更新を追い求めている。

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