[THE ANSWER] スポーツ文化・育成&総合ニュースサイト

錦織圭には“ネタバレ厳禁” 現役最後のコーチを驚かせた一面 ドロー出ても「本人は絶対見ない」

テニスの4大大会・全米オープン男子シングルス予選1回戦が25日にニューヨークで行われ、主催者推薦で出場した錦織圭(ユニクロ・世界ランキング477位)がゼバスティアン・オフナー(オーストリア・同125位)を6-1、2-6、6-2で下し、予選2回戦進出を果たした。今季限りでの現役引退を表明している錦織を支えるキャリア最後のコーチ、綿貫敬介氏がレジェンドの進化について証言。意外なルーティンの存在も語ってくれた。

今季限りで引退する錦織(左)をサポートする綿貫コーチ【写真:スポーツ報知/アフロ】
今季限りで引退する錦織(左)をサポートする綿貫コーチ【写真:スポーツ報知/アフロ】

引退表明の錦織を支える綿貫敬介コーチの証言

 テニスの4大大会・全米オープン男子シングルス予選1回戦が25日にニューヨークで行われ、主催者推薦で出場した錦織圭(ユニクロ・世界ランキング477位)がゼバスティアン・オフナー(オーストリア・同125位)を6-1、2-6、6-2で下し、予選2回戦進出を果たした。今季限りでの現役引退を表明している錦織を支えるキャリア最後のコーチ、綿貫敬介氏がレジェンドの進化について証言。意外なルーティンの存在も語ってくれた。

 日本代表のコーチとして手腕を振るっている綿貫氏は錦織の米国ツアーに帯同中。錦織が2014年に日本人史上初のグランドスラム・シングルス決勝の舞台に立ったニューヨークでもサポートを続けている。

「7月13日から1か月半、ツアーで一緒に過ごしています。錦織選手とはデビスカップで一緒に練習する機会がありました。そこで僕のアドバイスと本人の見えているものが近いと感じてもらえたようです。『(キャリアの)ゴールに向かってパフォーマンスを発揮したいので手伝ってもらえないか』とコーチ就任の話をいただきました。

 2月から3月のフランス遠征でコーチとしてのオファーを受けていましたが、スケジュールの問題で受けることができませんでしたので、今回が初ツアーです。アメリカ遠征で再オファーをLINEで頂いた際は手が震えるほど嬉しかったです。世界4位になった名選手を指導する機会など滅多にありません。本当に光栄なことです」

 日本テニス界最大の功労者へのリスペクトを忘れない綿貫コーチはこう語った。36歳となっても変わらない向上心の凄まじさに、コーチとしても感銘を受けているという。

「僕の指導はポジティブに選手をプッシュしていくスタイルなんですが、錦織選手はラストイヤーでも向上心と意識が物凄く高い。あの練習もこの練習もしたいと、放っておいたら週7でテニスをしてしまう。怪我との兼ね合いも大きなテーマなので、練習量はセーブしています。プッシュどころか、一番気を使っているのはブレーキの部分です」

 シンシナティで痛めた股関節をケアしながらの全米オープン。ベテランとしてコンディショニングもより重要になる錦織だが、キャリアの最終盤に進化を見せているという。

「一番は錦織選手の武器であるレシーブ力が上がってきたこと。特にフォアハンドが彼にとって最高の武器なんですが、試合中に一番崩れることが多いのもフォアハンド。ここにきて技術的に修正する能力が高まっている。いいプレーが続く時間帯が増えてきた手応えがあります」

錦織の意外な試合前のルーティンとは【写真:ロイター】
錦織の意外な試合前のルーティンとは【写真:ロイター】

 予選1回戦のオフナー戦でも勝負どころで輝いた錦織のリターンは冴えを見せていた。「レシーブは技術の部分の向上が大きい印象です。いい頃のイメージで、そこまで出力を出さなくても、というプレーも少し前はありましたが、ラケットをコンパクトに動かして、ボールをうまく捉える回数が増加し、メーク率は上がっている。1回戦でも勝負を決めた場面でいいリターンが出た。現実的にリターン力の進化は起きています」と綿貫コーチは語る。

 新たにタッグを組んだ綿貫コーチとの二人三脚で、錦織自身も成長に手応えを感じているという。

「こんなにテニスが上手くなるなら、課題が出てくるなら(現役生活を)やりたい、と話すことも。それでも怪我の問題で、終止符を打つことになるんです」

 悔しそうに言葉を繋いだ綿貫コーチは、今回のツアー帯同で驚いたという錦織の意外な試合前のルーティンについて明かしてくれた。

「面白いなと感じたルーティンがあります。情報の遮断ですね。試合当日のウォームアップの直前まで錦織選手はその日の対戦相手について知らないようにするんです。前日に次の試合のドローが出ても本人は絶対に見ない。もちろん前日の会見やネットニュースで偶然目にして、図らずも知ってしまうことはありますが、絶対にネタバレをしないようにしています。その代わりに僕はウォーミングアップまで対戦相手の情報をかき集めておきます」

 試合当日まで対戦相手の情報をあえてシャットアウトするのが錦織スタイルだという。今大会の予選2回戦は今年の全仏オープンジュニア準優勝で、今大会はワイルドカードで出場している地元アメリカの16歳マイケル・アントニウス(同670位)と対戦することが決まった。

「錦織選手はまだ相手を知らないと思います。ATPでのデータが少ない選手。(アントニウスの)予選1回戦を見返しながら、これから相手の分析を進めたいと思います」。決戦前夜も仕事は終わらない。勝利に導くために綿貫コーチはPCと向き合っていた。

(THE ANSWER編集部)

W-ANS ACADEMY
ポカリスエット ゼリー|ポカリスエット公式サイト|大塚製薬
ABEMA
JFA
docomo
THE ANSWER的「国際女性ウィーク」
N-FADP
#青春のアザーカット
One Rugby関連記事へ
THE ANSWER 取材記者・WEBアシスタント募集