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イニエスタが逆足で触るのは5%以下 “点で触る”利き足指導で磨かれた子供たちの感性

川崎フロンターレを率いて、U-12の世界一を決めるダノンネーションズカップに参加した高崎康嗣は、ここでプレーする大半の選手たちが、利き足に自分の最大値を引き出すポイントを持っていることに気づく。逆にサッカーが長く文化として根づく先進国では、子供たちが遊びの中からそれを習得してくるのだと確信した。実際に帰国して気の置けない仲間に、そのことを伝えると、彼らがさまざまなデータの収集に乗り出してくれた。

アンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】
アンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

【元川崎U-12監督が追求する日本サッカー“異端の指導法”|第2回】世界の一流選手が利き足に持つ自らの最大値

 川崎フロンターレを率いて、U-12の世界一を決めるダノンネーションズカップに参加した高崎康嗣は、ここでプレーする大半の選手たちが、利き足に自分の最大値を引き出すポイントを持っていることに気づく。逆にサッカーが長く文化として根づく先進国では、子供たちが遊びの中からそれを習得してくるのだと確信した。実際に帰国して気の置けない仲間に、そのことを伝えると、彼らがさまざまなデータの収集に乗り出してくれた。

「これはあるリーガ・エスパニョーラ(スペインのリーグ戦)の試合でのデータですが、(元バルセロナの)イニエスタは600回以上ボールタッチをしているのに、逆足で触ったのは20回以下。メッシやシャビは1ケタでした」

 今年のJ1リーグ第2節サガン鳥栖戦でも、右コーナー付近で3人に囲まれたイニエスタ(ヴィッセル神戸)は、すべて右足のタッチで引き技からアウトサイドへのターンで見事に切り抜けている。高崎は言う。

「イニエスタが神戸に加入し、Jの試合で左足でスルーパスを出すのを見てショックでした。あれは欧州なら右足のアウトで出していた。Jリーグは、それだけ余裕があるということです。逆にバルサ時代のイニエスタは、逆足のタッチが増えるようになってから途中交代が目立つようになりました。おそらく利き足のファーストタッチに誤差が出てきたということでしょう」

 イニエスタだけではない。ネイマールも、欧州へ進出してからの変化が著しかった。

「サントス(ブラジル)時代のネイマールは、頻繁に左足を使っていました。しかしバルセロナへ移籍してから逆足タッチが激減しています。欧州チャンピオンズリーグのように、最高峰の舞台で絶対に失敗が許されない状況で勝つためにプレーすると、こんなトッププレーヤーでも自然に逆足を使う回数が減る。モドリッチにしても、右足でターンをするボールの持ち方になっています」

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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