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中学日本新→観客の目が「凄く怖かった」 悩んだ高校1年生、今は「嫌じゃない」…救った“ユイちゃん”の背中――長崎日大・今村好花

高校入学直後は「中学日本記録保持者」の肩書きに苦しんだ【写真:井上学】
高校入学直後は「中学日本記録保持者」の肩書きに苦しんだ【写真:井上学】

数字と肩書きが独り歩きして感じた無言の圧

「観客席の目がすごく怖かった」

 高校ではハードルの高さが76.2センチから83.8センチに変わる。

「それをすべての観客の方が知っているわけではない」。適応には時間が必要だったが、観客席から注がれるのは「13秒23の中学日本記録保持者」という視線。数字と肩書きが独り歩きして無言の圧を感じた。入学直後はタイムが伸びなかった。

 周囲から「好花ちゃんなら大丈夫」と言われ、少しずつ肩書きの受け止め方が変わった。「今まで(記録だけでなく)ちゃんと接戦の中でもやっている。『中学記録保持者』を持っているから、逆に頑張れる」

 県大会は2位、北九州大会は3位。ともに優勝した吉永とダブル表彰台だった。今大会の予選は自己ベストを更新し、高1歴代2位の13秒59(追い風1.1メートル)で1着、全体2位で通った。165センチの体に詰まったポテンシャルの片鱗を見せた。

吉永の背中を追いかけ、3年間で「高校最速ハードラー」の称号を取りに行く【写真:井上学】
吉永の背中を追いかけ、3年間で「高校最速ハードラー」の称号を取りに行く【写真:井上学】

 決勝レース前も、吉永が今村のもとまで来て「頑張ろう」とハイタッチをしてくれた。

「すごくやる気が出ました。ユイちゃんの存在がなかったら決勝まで残れていたか分からない。ずっと2人で『頑張ろう、頑張ろう』と言ってきたので。今シーズンは納得がいかないレースが多かった中で支えてもらった。すごく感謝しています」

 夢は大きい。3年間の抱負を聞くと、たくさんの「したい」が返ってきた。それも1年生の特権。

「高校でも最高記録を絶対に出したいし、優衣ちゃんを超える走りをあと2年で必ずしたい。大人(シニア)の舞台でも戦えるような走りもしたい。国外の試合にも出てみたいし、高校の先に繋げられる活躍をして、今までにないような選手になりたいです」

 一度は怖さを味わった肩書きも「今は嫌じゃない」と笑い、むしろ「逆に頑張れる」と背中を押してくれる存在になった。

 16歳。この3年間をかけて取りに行くのは「高校最速ハードラー」の称号だ。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)

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