「指示待ち人間になってほしくない」 IKEA社員→41歳で転身、採用したボトムアップ型の高校野球――追浜・片山英臣監督
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は7日、俣野公園・横浜薬大スタジアムで1回戦が行われ、追浜が麻溝台に3-4で惜敗した。チームは選手が主体となり、判断や選択を下す「ボトムアップ型」を採用。片山英臣監督が掲げる理念を、ナインが体現した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)

第108回全国高校野球選手権・神奈川大会
高校野球の第108回全国選手権神奈川大会は7日、俣野公園・横浜薬大スタジアムで1回戦が行われ、追浜が麻溝台に3-4で惜敗した。チームは選手が主体となり、判断や選択を下す「ボトムアップ型」を採用。片山英臣監督が掲げる理念を、ナインが体現した。(取材・文=THE ANSWER編集部・戸田 湧大)
あと1本こそ出なかったが、「独立自主」の姿勢を全員で9イニング貫いた。
攻撃前には必ず円陣を組む。自主的にナインがタイムをとり、仲間に声を掛ける。3点を追う9回、主将・押田侑太(3年)、4番・武田玲音(3年)の連続タイムリーで1点差に迫る粘りの野球に、片山監督も目を細めた。
独自のアプローチで強化を図ってきた。練習メニューの作成やメンバー選考を全て選手が率先して行う「ボトムアップ型」だ。この夏の背番号も投票で決定するなど「主体性」を追求。考案者の指揮官は「大人の指示待ち人間になってほしくない」と理由を明かす。
ユニークな取り組みを採用した片山監督は異色の経歴だ。大阪市立大学を卒業後、全米屈指の名門・インディアナ大学院に進学。スポーツマネジメントの修士課程を修了し、「アメリカは自己主張しないと生きていけない」と主体的な集団構築の必要性を肌で感じ取った。
トップダウン型が一般的な日本の部活動では、一線を画す挑戦。9回4失点(自責2)、10奪三振で完投した渡邊郁翔投手(3年)は「自分の課題に集中できるので、成長できる環境だなと思う」。主将の押田も「強豪校よりも強くなる可能性を持っている」と自ら考え、行動することの重要性を学べる環境に感謝した。
指揮官は大手家具メーカーのIKEAで人事・経営企画業務を10年経験。子ども2人を育て上げ、スポーツに携わりたい思いから、41歳にして高校教師に転身。野球指導に携わることにした。「社会人になってこのときの経験があってよかったなと思う時がきっとある。将来噛みしめてもらいたい」。高校野球から離れても、10代の貴重な経験が必ず役に立つと信じている。
(THE ANSWER編集部・戸田 湧大 / Yudai Toda)
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