「左で大谷、右でジャッジに」身長187cm、両打ち…異次元スケールの大砲が見つけた自分だけの道――大学日本代表・平川蓮
野球の大学日本代表は8日から、6年ぶりの日本開催となる第45回日米大学野球選手権を戦う。ここで初の代表入りを果たしたのが身長187センチのスイッチヒッター、平川蓮外野手(仙台大4年)だ。左右ともに長打を狙えるというスケールは、日本の大学球界では見られなかったもので「右はジャッジ、左は大谷選手を目指しています」と口にするほど。他人にはない長所を、いかにして身につけたのか聞いた。

大学代表の平川蓮、左右の打席で打球速度170km、50メートルは5秒9
野球の大学日本代表は8日から、6年ぶりの日本開催となる第45回日米大学野球選手権を戦う。ここで初の代表入りを果たしたのが身長187センチのスイッチヒッター、平川蓮外野手(仙台大4年)だ。左右ともに長打を狙えるというスケールは、日本の大学球界では見られなかったもので「右はジャッジ、左は大谷選手を目指しています」と口にするほど。他人にはない長所を、いかにして身につけたのか聞いた。
平川は左右両打席で打球速度170キロを超え、50メートルを5秒9で駆け抜ける。遠投は120メートル。そしてふだんは主に1番を打つという“大学球界の大谷翔平”とでも例えたくなるようなスケールの選手だ。今秋のプロ野球ドラフト会議の指名候補としても、各球団が熱視線を送る。阪神などでプレーした糸井嘉男氏に例える声まで上がるほどだ。
座右の銘は「左右で別人格」。その意味とは――。「どっちも一人の打者ということですかね。両方の打席で長距離砲を目指していて。いずれは左が大谷翔平、右がアーロン・ジャッジみたいな面白いことをやろうかなって」。優しげな口調の裏に、大きな野望をにじませる。
小学校4年で野球を始めてから、高校2年生まで右打ち。当時は投手だったが、肘を痛めてしまった。「投げ込みをしていたら、右腕まで痛くなってしまって……。左で打つしかないなって」。右手で押し込めなくなり、消去法の末に選んだのが左打ちだった。
主に外野手としてプレーした高校最後のシーズンは、左打ちに転向して臨んだ。公立の札幌国際情報高で、南北海道大会の準決勝敗退。その肘が、大学進学後に良くなってきた。「幅を広げようと。今の日本球界で、スイッチになったら希少だよと言われて……」。右でも打てることを知っていた仙台大の森本吉謙監督にすすめられ、その気になった。大学2年でスイッチ転向。左右の打席に立つこと自体は、ここまで大きな苦労を感じたことがないという。
「すべて楽しみながらやっていました。自分のこの身体を生かすには、誰もできないことをやってやろうと思って」。大学進学後、野手に絞った時もそうだった。最初に挑戦したのは遊撃手。それから三塁、一塁、右翼、中堅と様々なポジションでプレーしてきた。自分の新たな可能性を見つけるのが、楽しかった。