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「10割で走らなくても私が学生1位と…」 日本一連覇、陸上界に現れた逸材21歳のサングラスに隠れた素顔――日体大・フロレス・アリエ

5日から4日間、岡山のJFE晴れの国スタジアムで行われた陸上の第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、怪我や困難を乗り越えた選手など、さまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子400メートルで連覇した日体大のフロレス・アリエ(3年)。5月の静岡国際では日本記録を上回るタイムを記録した注目のスプリンターが、大学最高峰の舞台で貫録を見せた。大会3日前には21歳になったばかり。レース後には天真爛漫な素顔を覗かせ、7月の日本選手権への思いも明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

「10割で走らなくても私が学生1位」という意地を持って日本インカレに出場したフロレス・アリエ【写真:中戸川知世】
「10割で走らなくても私が学生1位」という意地を持って日本インカレに出場したフロレス・アリエ【写真:中戸川知世】

陸上・日本インカレ 女子400メートル/日体大・フロレス・アリエ(3年)

 5日から4日間、岡山のJFE晴れの国スタジアムで行われた陸上の第94回日本学生対校選手権(日本インカレ)。熱戦を取材した「THE ANSWER」は文武両道で部活に励む選手や、怪我や困難を乗り越えた選手など、さまざまなストーリーを持つ学生を取り上げる。今回は女子400メートルで連覇した日体大のフロレス・アリエ(3年)。5月の静岡国際では日本記録を上回るタイムを記録した注目のスプリンターが、大学最高峰の舞台で貫録を見せた。大会3日前には21歳になったばかり。レース後には天真爛漫な素顔を覗かせ、7月の日本選手権への思いも明かした。(取材・文=THE ANSWER編集部・山野邊 佳穂)

 競り合うライバルたちは視界に入らない。磨き上げた体を紅潮させ、サングラスの奥の瞳はただゴールだけを見ていた。

 7レーンから飛び出したフロレスはバックストレートで一気に加速し、先頭争いに加わった。混戦状態で最後の直線に突入すると、ラスト50メートルで抜け出して53秒41の1着でゴール。5月から連戦が続くが、貫録の連覇に「10割で走らなくても、私が学生1位という意地を見せたいと思っていた」と胸を張った。

サングラスをかけて走る理由は「自分のレーンに集中するため」【写真:中戸川知世】
サングラスをかけて走る理由は「自分のレーンに集中するため」【写真:中戸川知世】

 静岡・東海大翔洋高出身で、現在はペルー国籍。5月3日の静岡国際女子400メートルで日本記録(51秒75)を上回る51秒71をマークし、陸上界で一気に注目を集める存在となった。7月4日開幕の日本選手権を大目標とし、今大会は「調整なし」で出場。昨年からの成長を実感し、課題も見つけてまた一歩前進した。

 学生トップ選手に上り詰めたが、知られざる素顔がある。「メンタルが弱いんで……」と意外な一面を告白。「顧問の先生に『走りたくない、帰ろう』というやり取りを1時間くらいぶっ通しでやっているんです」。しかし、レースになると一変する。レース前には真っ赤になるほど体を叩いて刺激。「自分のレーンに集中するため」とサングラスも装着し、勝負師の顔になる。メンタルコントロールをしっかりできているのも強さの秘訣だ。

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