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「生理なので帰りますって、はっきり言います」 1か月で6kgを落とす女子プロボクサーの減量術――ボクシング・鈴木なな子

プロボクサーにとって「減量は試合をするための手段」と鈴木は語る【写真:松橋晶子】
プロボクサーにとって「減量は試合をするための手段」と鈴木は語る【写真:松橋晶子】

プロボクサーにとって減量は「試合をするための手段であり、過程の一つ」

 もちろん、これらは鈴木個人の話。人それぞれに対処法があるのは断っておく必要がある。

 女性アスリートにとって、強くなることと健康を守ることのバランスは難しい。しかし、プロボクサーにとって、減量は仕事の一環。鈴木も「試合をするための手段であり、過程の一つ」と表現する。「減量しなきゃ試合はできないし、減量したら確かに動きは良くなるので」と話した。

 彼女の場合は自分をよく知り、自分で思考し、何事も判断する習慣がある。それは体重管理を除いても、アスリートとして、大切な資質である。

 こうした競技生活を送りながら、日本チャンピオンになり、次はアジア女王を目指している鈴木。高校3年生でプロデビューしておよそ5年、少しずつ女子ボクシングを取り巻く環境は変わりつつある。「女子ボクシングがもっと広まっていってほしいです」と、さらなる競技の発展を願っている。

「やっぱり、まだまだ男女の環境の差は感じるので。昔から男の人がやっている競技だから仕方ない部分はありますが、男女でこんなに扱いが違うんだと思うことも多い。女子には(リング上の)華やかさがあるし、1ラウンド2分だから試合展開もすごく速いから、そこも面白いと思います。

 いずれは(男子メインの)興行のセミファイナルに組み込まれたり、Amazonプライムビデオの中継に女子が組み込まれたり、そういう存在感になっていけばいいなって。そのために私も実力はもちろん、メディアに出さていただく機会を大切に人の目に触れる機会を増やしていきたいです」

【ボクシング・鈴木なな子が「新しい一歩を踏み出す時に大切にしていること」】

「私は良くも悪くも周りに流されやすいんです。でも、そういう自分の性格が自分で分かっている。だから、やるとなったら一番厳しいだろうと思う環境に自分で自分の身を放り込む。そうしたら(自分の性格上)やっちゃうから。三迫ジムを選んだのも、当時は女子が誰もいなかったけど、(男子で)強い選手がいっぱいいた。トレーニングも厳しい環境というのを知っていたから、あえてそこに自分の身を放り込んだ。それが今となっては良かったんだと思います」

 ※「THE ANSWER」では今回の企画に協力いただいた皆さんに「新しい一歩を踏み出す時に大切にしていること」「今、『変わりたい』と考えている女性へのメッセージ」を聞き、発信しています。

(THE ANSWER的 国際女性ウィーク最終日は「女性アスリートの月経とアンダーウェア」、陸上・福士加代子が登場)

■鈴木なな子 / Nanako Suzuki

 1999年7月8日生まれ。東京・板橋区出身。4歳からフルコンタクト空手を始め、成立学園高(東京)2年で全関東大会女子軽量級優勝。その後、課題だったパンチを鍛えるため高校1年から始めていたボクシングに転向した。ワタナベボクシングジムに入門し、半年でプロテストに合格。高校3年の2017年5月、児玉このみにデビュー戦判定勝ち。立大進学後、3年生だった2020年に三迫ボクシングジムに移籍。4年生となった2021年12月、通算8戦目で瀬川紗代を判定で破り、日本ミニマム級王座を獲得。2022年8月に初防衛を果たし、9月にアジア王者を目指して王座返上した。通算9戦7勝(1KO)2敗。身長157センチ、リーチ160センチ。

(THE ANSWER編集部・神原 英彰 / Hideaki Kanbara)


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