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「生理なので帰りますって、はっきり言います」 1か月で6kgを落とす女子プロボクサーの減量術――ボクシング・鈴木なな子

「ストレスを溜めない」を大切にしているという鈴木【写真:松橋晶子】
「ストレスを溜めない」を大切にしているという鈴木【写真:松橋晶子】

自らかけるブレーキ「これ以上は壊れちゃうと感じたら絶対無理しない」

 一つは数字に縛られ過ぎないこと。鈴木の体重管理は、良い意味で“大雑把”である。

「最初だけカロリーはきっちり計算してお米の量も計りますが、だいたい自分で把握できてきたら、あとは目分量。気にしすぎると、私自身のストレスになっちゃうから。“だいたいこのくらい”みたいな感覚です。女子の場合、生理によって全然落ちなくなる時もありますから」

 女性アスリートの減量は、体重が軽いと有利とされる競技の場合は特に、追い込みすぎて長期的な無月経、疲労骨折といった心身の不調が出やすい。フィギュアスケートや陸上長距離などが例として挙げられる。鈴木も実際に身近な女子ボクサーで摂食障害になった人がいるという。

 鈴木がこだわるのは、ストレスを溜めないこと。当たり前に聞こえるかもしれないが、簡単で難しいことだ。

「それが、本当に大切ですね。精神的なものは練習中の動きにも影響しちゃうから。摂食障害になった人の話を聞いても、本当にどこが引き金になるか分からない。もしかしたら、自分もなっちゃうかもしれないし……そういうことは常に考えながら、減量については考えています」

 インタビューの間、何度も「ストレス」というワードを繰り返していたのが印象的だった。

 もう一つは自らブレーキをかけること。女子ボクサーも生理は避けて通れない。

「私もストレスが溜まると生理が止まったり遅れたりします。減量はただでさえストレス。食事も減らすので栄養も足らない。でも一時的なもので、原因も分っているから割り切れる。その分、体調が良くなければ気にせず、練習も帰る。無理そうならやらない。結局、怪我しちゃうから。生理はボーっとしたり、眠くなったりするので」

 試合が迫れば、少しでも技術や体力を向上させるために追い込みたい気持ちは自然。しかし、勇気を持って線引きをする。鈴木はコンディションが整わなければ、オーバーワークになりやすいジムワークは避け、区が運営するスポーツジムでバイクを漕いだり、軽くランニングしたり、うまくコントロールしている。

「生理もはっきりと言います。『生理なので、帰ります』って。(トレーナーも)男性だと何も言えないので、それもそれで楽です。私の場合は特に何も言ってくれなくていい。『帰ります』『分かった』だけ。とにかく割り切る。“無理はするけど、しない”みたいな。これ以上行ったら壊れちゃうと感じたら、絶対無理はしません」

 一度だけ教訓になった経験がある。

「試合を終えて、次の試合がいつ決まるか分からないから、同じペースで(食事を)抑えていたんです。そうしたら、本当に生理が来なくなってしまって。結局、戻るまでに半年くらいかかりました。そういう経験があったから、減量期間とそうじゃない期間は、はっきりと分けて食事も好きなものをたくさん食べます」

 試合を終えると、鈴木のインスタグラムにはチーズカレー、パスタ、ハンバーガーなど美味しそうなグルメの写真が並ぶ。「前回の試合後は夜遅くて店もやってなかったので、家族で行った吉野家でチーズ牛丼の大盛りを……。お母さんが食べきれない分も食べました(笑)」。オン・オフの切り替えができている証拠だ。

 その分、「試合前1か月で6キロ」という減量幅が生まれるが、しっかりとした自己管理で毎試合コンディションに不安なく、リングに立てている。

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