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女子選手に求められる月経管理「本当の良い練習は生理後1週~10日だけ」―三宅宏実の意見

「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。最終日となる8日目は「女性アスリートと月経」。夏季五輪で日本女子最多に並ぶ五輪5大会連続出場した重量挙げ・三宅宏実さんが登場する。

重量挙げ・三宅宏実さんが引退後に転身したコーチの立場から、女子選手の体調管理への意見を明かした【写真:松橋晶子】
重量挙げ・三宅宏実さんが引退後に転身したコーチの立場から、女子選手の体調管理への意見を明かした【写真:松橋晶子】

「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」8日目 テーマは「女性アスリートと月経」後編

「THE ANSWER」は3月8日の「国際女性デー」に合わせ、女性アスリートの今とこれからを考える「THE ANSWER的 国際女性ウィーク」を今年も展開。「女性アスリートが自分らしく輝ける世界」をテーマに1日から8日までの1週間、8人のアスリートが登場し、8つの視点でスポーツ界の課題を掘り下げる。最終日となる8日目は「女性アスリートと月経」。夏季五輪で日本女子最多に並ぶ五輪5大会連続出場した重量挙げ・三宅宏実さんが登場する。

 減量競技である重量挙げで送った21年間の現役生活。12年ロンドン五輪銀メダル、16年リオデジャネイロ五輪銅メダルという輝かしいキャリアの裏では、繊細なコンディショニングを求められた。月経もその一つ。後編では、昨夏の東京五輪を経て引退後に転身したコーチの立場から、女子選手の体調管理への意見を明かした。最も大切にしたいのは「選手自身に自覚をもって体のことを考えてもらうこと」という。(取材・文=長島 恭子)

 ◇ ◇ ◇

 東京五輪を最後に、21年間の現役生活から引退。元重量挙げ女子日本代表の三宅宏実さんは現在、選手時代から所属するいちご株式会社ウエイトリフティング部のコーチとして、後進の指導にあたる。

「ウエイトリフティングは一見、シンプルでダイナミックですが、奥が深い競技。体の前を通るウエイトのバーの軌道が1ミリでも2ミリでも変わると、パフォーマンスも変わってしまうほど、すごく繊細です。きちんと準備をする選手は強いですし、練習を雑にやれば雑な結果しか出ません」

 三宅さんは指導を行ううえで、自分の経験も踏まえ、男女の体の違いを考慮。「女子選手が強くなるための強化」を模索している。

「女性選手は男性選手と比べ、長い時間、練習できる粘り強さがあります。でも、休んでしまうと、技術面での感覚を忘れていったり、すぐに筋力が落ちたりする。ですから毎日、毎日、継続して練習をしないと物にできない傾向があります。

 また、筋肉量とパワーは比例するため、記録に直結します。体重が1キロでも落ちると、挙げられる重さは4、5キロ落ちる。また、減量するとどうしても筋肉が削られ、ケガにもつながるので、細やかに考える必要があります」

 月経を考慮したトレーニング計画も、課題の一つに挙げる。三宅さん自身は、重い月経トラブルの経験はないが、2012年ロンドン五輪では、試合の日にベストパフォーマンスを発揮できるよう、月経の日をコントロールして臨んだ。

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長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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