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女子選手の「痩せすぎ」を判断する方法 体脂肪を「ただの邪魔なもの」と思う前に…

スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第14回は「体脂肪」について。

第14回は「体脂肪」について(写真はイメージです)
第14回は「体脂肪」について(写真はイメージです)

連載「女性アスリートのカラダの学校」第14回―「体脂肪」について

 スポーツを習い始めたばかりの小学生、部活に打ち込む中高生、それぞれの高みを目指して競技を続ける大学生やトップカテゴリーの選手。すべての女子選手たちへ届ける「THE ANSWER」の連載「女性アスリートのカラダの学校」。小学生からオリンピアンまで指導する須永美歌子先生が、体やコンディショニングに関する疑問や悩みに答えます。第14回は「体脂肪」について。

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 体脂肪がつけばパフォーマンスが低下し、見た目にもマイナスになってしまう……。特に体形が変化する思春期以降、「体脂肪」の数値が気になり、ダイエットに夢中になる女性アスリートは少なくありません。

 ほとんどの競技・種目のアスリートたちは、体脂肪を「ただの邪魔なもの」と捉える傾向があります。しかし、体脂肪はただの「脂の塊」ではありません。脂肪も血管が通じ、酸素と栄養素が通う大切な細胞の一つ。実は、体の機能を保つために、様々な生理活性物質を分泌しているのです。

 体脂肪は少なすぎても、体への悪影響を招きます。

 人間が生きていくために必要な最低限の体脂肪量を「必須脂肪」といいます。これを下回ると、体の機能が正常に働かなくなり、女性ホルモンや食欲を調整するホルモンのバランスが崩れることもあります。すると、女性であれば生理が止まったり、骨密度が低下して疲労骨折のリスクが高まったりします。

 悪影響はさらに、体の発達、免疫機能の低下、そして精神面まで及びます。つまり、体脂肪を削りすぎると体の機能や能力の低下につながり、女性としての健康を損ねるうえ、アスリートとしてもよいパフォーマンスを発揮できなくなるのです。

 では、女性アスリートにとって、どのぐらいの脂肪量が適切といえるのでしょう?

 まず、体重を100%としたときの脂肪量の割合を体脂肪率といいます。女性の体は女性ホルモンの影響により、男性よりも体脂肪がつきやすく、必須脂肪量にも男女差があります。必須脂肪量は男性が体重の3%に対し、女性は12%。一般的な女性の場合、適正な体脂肪率は20~30%とされています。

 もちろん、アスリートの場合、一般的な数値は当てはまりません。私自身も、「では短距離選手と中長距離選手はどれぐらいが適正なのか?」「新体操の場合は?」などとよく聞かれますが、各競技種目の適正な体脂肪率は明らかになっていません。

 もっと言うと、同じ種目、同じ競技の強い選手と同じ体脂肪率になれば、同じようなパフォーマンスを発揮できるわけではありません。ですから、体脂肪とパフォーマンスの関係を数字で語ることは、非常に難しいのです。

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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビューや健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌などで編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(共に中野ジェームズ修一著、サンマーク出版)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、サンマーク出版)、『カチコチ体が10秒でみるみるやわらかくなるストレッチ』(永井峻著、高橋書店)など。

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