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「無月経」に残る危ない知識 「私は赤ちゃんできたから」と選手に言った部の顧問

「無月経」が妊娠に影響する理由、体は優先順位を決めて機能を切り捨てる

 私たちが生きていくためには、エネルギーが必要です。

 エネルギーの元となるのは食事です。そして、食事からのエネルギーの摂取量から、運動による消費量を引いたもの、これが、さまざまな体の機能を維持するために必要な「利用可能エネルギー」となります。

 人間には呼吸や体温を維持する「生きるための機能」、歩いたり走ったりする「運動するための機能」、そして子孫を残すための「生殖機能」と3つの機能があり、それぞれにエネルギーが必要です。

 もう少しわかりやすく説明すると、必要な最低限のエネルギーがあれば、寝っ転がっていても生きていける。もうちょっと元気だと運動できる、もっと元気だと人を一人生み出すことができる、という具合です。

 ところが、ハードに運動を行うアスリートは、運動量が多いにも関わらず十分な食事量を摂っていない、もしくは運動がハード過ぎて、食べても食事量が追いつかないなどで、利用可能エネルギー不足になりやすい。

 エネルギー不足は生死に関わる大問題。ですから体は利用可能エネルギー不足を察知すると、真っ先に生殖関連の機能を切り捨てます。そして、生殖機能を切ってもダメなら、運動ができなくなる。こうやって体は優先順位を決めて、どんどん機能を切り捨てていくのです。

 生理は「女性ホルモンを分泌して!」という脳からの指令が止まると、ストップします。そうはならないよう、体がホルモンの量や分泌のタイミングをコントロールしてくれることで月に1回、規則的にきている。改めて考えると、本当に奇跡的で素晴らしいことですよね。

「(無月経でも)競技をやめたら再開するんでしょ?」と安易に考える声もときどき聞かれます。しかし、無月経が長期間続くと回復にも時間がかかりますし、卵巣機能が回復せず、将来の妊娠に影響が出るケースもあります。もし、これまで来ていた生理が3か月以上止まったら、婦人科を受診してください。

 女性アスリートにとって、妊娠・出産は人生の選択枠の一つです。ここ数年ではテニスプレーヤー、セリーナ・ウィリアムズ(米国)の出産・復帰が特に話題を集めましたが、海外だけでなく日本でも、出産、子育てをしながら現役を続けるアスリートやオリンピアンは増えています。でも、「健康なカラダ」という土台なくして、競技を続けることも、「生むか生まないか」の選択をすることもできません。無月経という大事なアラートを見逃さないでくださいね。

■利用可能エネルギー不足になりやすい人は?

□自分の体重が重い、太っていると気にしていますか?
□現在、減量あるいは増量に取り組んでいますか? または誰かに勧められていますか?
□あなたは特定の食べ物や食品群をさけていますか?
□摂食障害になったことはありますか?

 3つ以上当てはまる人は要注意!

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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須永 美歌子

日本体育大学教授、博士(医学)。日本オリンピック委員会強化スタッフ(医・科学スタッフ)、日本陸上競技連盟科学委員、日本体力医学会理事。運動時生理反応の男女差や月経周期の影響を考慮し、女性のための効率的なコンディショニング法やトレーニングプログラムの開発を目指し研究に取り組む。大学・大学院で教鞭を執るほか、専門の運動生理学、トレーニング科学の見地から、女性トップアスリートやコーチを指導。著書に『女性アスリートの教科書』(主婦の友社)、『1から学ぶスポーツ生理学』(ナップ)

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)、『つけたいところに最速で筋肉をつける技術』(岡田隆著、以上サンマーク出版)、『走りがグンと軽くなる 金哲彦のランニング・メソッド完全版』(金哲彦著、高橋書店)など。

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