各コンテストで輝く選手たちを紹介「ボディコンテスト名鑑#54　葉真由」

“夏が一番似合う男性・女性”を決めるボディコンテスト「SUMMER STYLE AWARD（サマー・スタイル・アワード、以下SSA）」の決勝大会が昨年12月9日、東京・TFTホールで開催され、予選を勝ち抜いた肉体美自慢が全国から集結した。ビューティーフィットネスモデル部門マスターズクラスで3位入賞を果たした葉真由（よう・まゆ）は3人の息子を育てながら、食品の製造販売会社を設立した経営者。南アフリカ共和国でフィットネス文化に触れ、“普通の主婦”から転身するに至った経緯を聞いた。

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　3児の母、起業家、ミセスコンテスト世界大会グランプリ……38歳の葉は様々な顔を持つ。2022年にはSSA関西グランプリのビューティーフィットネスモデル部門トール（161センチ以上）クラスで優勝し、「SSAプロ」の肩書を勝ち獲った。この日も持ち前の手足の長さを存分に生かした艶やかなパフォーマンスで客席を魅了。3位入賞を果たし、「素直に嬉しい。ホッとしています」と胸をなでおろした。

　始まりの地は、日本から1万3000キロ以上離れた南アフリカ共和国だった。

　夫の転勤に付き添い、2016年から3年弱、アフリカ大陸南端に位置する異国で生活。現在6歳になる三男は現地で産んだ。出産後1年ほどして息子を幼稚園に預けるようになったが、周囲のママ友は送迎後にそのままジムに行くのが当たり前。そんな文化に刺激を受け、30代前半にして初めてフィットネスの世界に足を踏み入れた。

「すぐには変わらないが、続けていれば変わる」。成果が体の変化としてハッキリと出るトレーニングにやりがいを感じ、のめり込んだ。もう1つ、南アフリカで葉を魅了したのが、ビルトンというビーフジャーキーに似た食べ物。通常のビーフジャーキーよりもしっとりして厚みがあるのが特徴で、タンパク質も豊富だという。

　夫よりも1年早く子どもと一緒に帰国した葉は、「ビルトンを日本のみんなにも食べてもらいたい」と一念発起。日本国内で南アフリカの味を再現し、製造販売する企業を立ち上げた。「普通の主婦だった」と自称するが、子育てしながらも試行錯誤し、起業後1年ほどで販売に漕ぎつけた。

　無添加にこだわった栄養価の高い製品を健康志向の人たちに届けたい。効果を自ら体現し、発信力を高めるためにもボディコンテスト出場を決意した。2019年のベストボディ・ジャパンを皮切りに、2020年にはSSAにも参戦。さらにミセス・レジェンド・ユニバーサル2022の世界大会にも進出すると、見事グランプリの1人に選出された。

　子育て、会社経営、トレーニング。並行して進めるために一番苦労したのは「自分の時間を捻出すること」。24時間を無駄にしないように「1日の過ごし方を凄く考えるようになり、ダラダラと過ごさないようになりました」と振り返る。その上で、「頼れるところは我慢や遠慮をせずに周囲にお願いする」ことが大事だと力を込める。

　世の中には、家庭のことを1人で抱え込んでしまい、自分のやりたいことができないママもいる。“普通の主婦”から30代で転身した葉は「全部を自分1人でやろうと思わず、周りも巻き込んで自分の人生を輝かせていきましょう」とエールを送った。