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ラグビー日本、次戦サモアが不気味な理由 スクラムで互角のイングランド戦に見る勝利へのヒント

ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会のプールD第2戦で、イングランドに12-34で敗れて1勝1敗となった日本代表。各組2位以上が進出する決勝トーナメントへ向けて、28日(日本時間29日)のサモア戦(トゥールーズ)の重要性がさらに高まった。世界ランキング14位の日本に対してサモアは11位。7月の直接対決でも、ベストメンバーではない相手に22-24と惜敗している。厳しい状況の中で、日本が勝利できる可能性はあるのか。イングランド戦から読み取れるチームの可能性、課題を検証する。(取材・文=吉田 宏)

イングランド戦から読み取れるサモア戦勝利のヒントとは【写真:ロイター】
イングランド戦から読み取れるサモア戦勝利のヒントとは【写真:ロイター】

W杯フランス2023コラム、7大会連続取材「ラグビーライターの視点」

 ラグビーワールドカップ(W杯)フランス大会のプールD第2戦で、イングランドに12-34で敗れて1勝1敗となった日本代表。各組2位以上が進出する決勝トーナメントへ向けて、28日(日本時間29日)のサモア戦(トゥールーズ)の重要性がさらに高まった。世界ランキング14位の日本に対してサモアは11位。7月の直接対決でも、ベストメンバーではない相手に22-24と惜敗している。厳しい状況の中で、日本が勝利できる可能性はあるのか。イングランド戦から読み取れるチームの可能性、課題を検証する。(取材・文=吉田 宏)

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 ニースでの苦杯からV字回復に転じることができるのか――。日本代表が試練の時を迎えている。イングランド戦の敗戦後、チームは2日間をオフにし、選手、スタッフもニースを散策するなどリフレッシュに充てた。

 対戦相手のサモアとは、今回でW杯3大会連続の対戦になる。2015年大会は26-5、19年は38-19と日本が快勝している。だが、今回は代表規約の大きな変革により、過去の対戦のように容易な相手ではない。

 従来は1つの国で代表となった選手は他の国の代表にはなれなかったが、国際統括団体ワールドラグビーは2022年1月に新たな規約を導入。代表として国際試合に出場してから36か月が経過後、選手の母国または親や祖父母のうち誰かがその国で生まれている場合に代表資格を得られるというものだ。ニュージーランドなど強豪国で代表経験を持つ多くのサモア、トンガ、フィジー出身のトップ選手が“恩恵”に浴している。

 サモアのメンバーを見ると、日本の豊田自動織機などでもプレーした元オーストラリア代表SOクリスチャン・リアリーファノが選ばれ、元ニュージーランド代表SOリマ・ソポアンガも名を連ねる。サモア、トンガの代表メンバーが参加するクラブ、モアナ・パシフィカが2022年シーズンからスーパーラグビーに参戦しているのも強化に追い風となっている。

 すでに今回のW杯ではフィジーがオーストラリアを22-15で倒すなど、新規約の効果も勝因と考えられるゲームもある。そんなバージョンアップしたサモアは、16日の大会第1戦では日本も勝利したチリに43-10と快勝。リアリーファノが司令塔として先発して16点をマークするなど活躍を見せた。

 このようなサモアの状況を考えると、日本にとってはプール2勝目を掴むのは容易なことではないが、イングランド戦からは、次戦へのヒントが浮かび上がる。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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