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「自分たちのグラウンドでもいい」 休止のラグビーTL、アマだからできる“危機対応”

“自粛ムード”だからこそ「試合をすることで社会に発信できるものがある」

 万難を排すれば、接触をしない「中止」という考え方が優先される可能性があるということだ。しかし、あるチーム関係者は異なる視点から現状を見つめている。

「いま、社会は感染を抑えるため、さまざまな行動を自粛するような流れだ。だからこそラグビーが、試合をすることで社会に発信できるものがあるのではないか」

 休校が子供たちだけではなく親にも影響や負担がかかり、大人の世界でも仕事上の制限が起きていることで社会に閉塞感が漂う中で、たとえ無観客であっても、テレビ中継を通じてラグビーをお茶の間に届ける価値があるという意見だ。

「予定された日程で無観客試合をやってもいいし、大きく日程を崩して、平日に1試合ずつ開催してテレビやネットで中継すれば、子供たちやテレワークで在宅勤務の父母などにも見てもらえる」

 現在、多くのラグビー中継はJスポーツのような有料放送でしか見ることができない。このチーム関係者は、「放映会社サイド、ラグビー協会やTL参画チーム・企業も交えた協議で、通常より廉価で中継を見れないだろうか。こういう危機を普及のチャンスに転じることも考えていきたい」と逆転の発想を訴える。

 この無観客試合実現の声には、また別の背景もある。ラグビー界は昨秋のRWC日本大会の成功で、過去にも、他競技にもないほど関心が高まっている。開幕6節までの総入場者はすでに40万人を超え、前年度の46万人に肉薄。年間目標とした60万人という総観客数の7割近くを集めているのだ。多くの日本代表選手、W杯を盛り上げた海外強豪国のスター選手がプレーする今季のリーグを自粛や中止で「0」にしてしまえば、この熱量を効果的に今後に繋げるのは難しいという危機感もある。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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