伊藤美誠の大逆転負け あと1点の窮地から5連続得点、中国の「吹っ切れた」凄みとは
日本と中国の細部に差、馬場監督が痛感「選手やコーチがよく心得ている」
いい状態が続いていれば、それを継続させてポイント重ねたいところ。しかし、相手はさらに違う戦術を試した。先を見据えた戦いでもあるのだろう。
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最新世界ランクの6位まで中国勢が占め、今大会は同4位の朱雨玲を除く5人で構成された。この日出場した日本勢は、伊藤が7位、石川が8位、平野が10位だった。日本は2011、13、18年大会に続く4度目の決勝だったが、全て中国に敗戦。五輪、世界選手権、W杯の3大大会の団体戦では、1971年世界選手権以来48年ぶりの中国戦勝利はならず、卓球王国にW杯9大会連続11度目の優勝を許した。馬場監督は、半世紀立ちはだかる女王との差について明かす。
「広がりもせず、縮まりもしないのが最近。いつも縮まったと思うと、広がって引き離されて、また縮まるようにするという行ったり来たり。そういう意味では、ここ何か月は平行線ですかね。先を行っているというよりも、中国も強化しているということ」
海外ツアーなど個々の戦いでは、伊藤を筆頭に勝利を得ることもある。だが、伝統的に団体戦を重んじる王国の牙城は、結束してさらに強くなる。技術以外でも細部の徹底に“実力差”があったという。馬場監督は続けた。
「もちろん技術的には中国が上。ここ何か月かずっと考えていることですが、一つ一つの準備の仕方が徹底している。それがより一層表れてきている。いろんなことが起こった時にどう対処するかというのを、選手やコーチがよく心得ている。
それは日本がもっと努力しなければいけないところだと思う。試合でのその場、その場の選手の心持ちや態度、気持ちの持ち方が徹底されているなと感じた。五輪や世界選手権はいろんなことが起こる。それに対処しないといけない」
伊藤は「大事なところで孫選手のほうが実力が上。まだまだ自分が上がるチャンスをくれたなと思っています。たくさん練習して、なんでもできるようになるのがベスト。この緊張感で勝ち切る力をつけたい」と気を引き締めた。8か月後の東京五輪。半世紀勝てない相手への“大逆転勝ち”を目指す。
(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)