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リレー侍に吹き込む新風 20歳の新星・小室歩久斗「不可能を可能にできたら」 2走で世界初挑戦へ

今秋の名古屋アジア大会で2大会ぶり金メダルを目指す陸上男子400メートルリレー日本代表が11日、都内で合宿を公開した。代表に初選出となった小室歩久斗(中大)は第2走者を想定したバトン練習を行った。6月の日本選手権男子100メートル予選では10秒07の自己新をマークした20歳は、若さと臆さぬ心で新風を吹き込む。

バトン練習をする小室歩久斗(奥)と桐生祥秀【写真:上田悠太】
バトン練習をする小室歩久斗(奥)と桐生祥秀【写真:上田悠太】

陸上男子400メートルリレー練習公開

 今秋の名古屋アジア大会で2大会ぶり金メダルを目指す陸上男子400メートルリレー日本代表が11日、都内で合宿を公開した。代表に初選出となった小室歩久斗(中大)は第2走者を想定したバトン練習を行った。6月の日本選手権男子100メートル予選では10秒07の自己新をマークした20歳は、若さと臆さぬ心で新風を吹き込む。

 桐生、小池、多田と実績十分の先輩に囲まれながら、少しの緊張の中に強い高揚感が入り混じった。サンライズレッドの日本代表シャツをまとい、初練習を終えた小室は「年上の選手ばかりで、ちょっと緊張している部分もあるのですけど、すごく楽しく練習することができた」と初々しく言った。

 アジア大会に向けて日本が25年ぶりにテストするオーバーハンドパスも、400メートルリレーの第2走者も初体験だ。小室は「分からないことばかりですけど、みなさんがいろんなことを教えてくださる。しっかり練習すれば、不安なく挑める」と周囲に感謝しつつ、貪欲に吸収していく。

 リレー侍は次戦18日のダイヤモンドリーグ・ロンドン大会に挑む。1走から多田、小室、桐生、小池の布陣で挑む見通し。小室にとってロンドンは、苦い記憶が残る街でもある。つくば秀英高(茨城)時代の修学旅行で訪れたが、「インフルエンザにかかってしまって…。熱が39度くらいで、自由行動もホテルでした」。当時は観光どころではなかった。もちろん今回のロンドンは、旅行ではなく、結果を求める戦い。「いい思い出がない」という記憶を、自らの快走で塗り替えるつもりだ。

 ダイヤモンドリーグはトップ選手が集う舞台。未知の領域だからこそ、ポジティブに考える。「逆に海外の方が緊張しないかなっていうのはあります。初めて立つ舞台だったり、周りが海外の選手だと、逆に分からない選手ばかりなので、気にしないで、自分の走りに集中できるかなって思う。ただ単純に楽しむだけだと思ってます」。初めての世界でも、自分の走りに集中して勝負していくつもりだ。

 世界と戦えるチャンスに、貪欲な向上心があふれ出る。「まだ自分も20歳。可能性っていうのは、まだたくさんあると自分でも思っている」と強い相手と競い合える舞台を、心から楽しみにしている。「2走という『エース区間』を任せていただいた。みんなが不可能に思っていることを可能にできたらいいなと思っている。もちろん不安な気持ちもあるのですけど、楽しみながら、他の国に置いていかれず、桐生さんにバトンを渡していきたい」と力を込めた。

 日本選手権は予選で流しながら10秒07と、5月の東海スプリントで出していた従来の自己ベストを0秒01更新。準決勝は10秒12で突破した。決勝は準決勝で左足を痛めていた影響もあり、10秒26の5位だった。最後こそ思うように走れなかったが、日本選手権の舞台で、たしかなインパクトを残した。

 練習日は競技に集中して打ち込み、休日はリフレッシュを大切にする。息抜きはカラオケ。よく歌う曲は清水翔太の「恋唄」という。友人と温泉に行くのも好きで、練習への活力を養う。オンとオフをしっかり切り替え、うまく競技に向かう気持ちを整える。

 昨季まで自己ベストは10秒31だった。上半身強化でボディーバランスが向上し、急成長を続ける。もともと小学校4年時に「運動会の徒競走でビリで。ちょっと負けず嫌いなところがあるので」と始めた陸上人生。伸び盛りの新星がリレー侍に新しい刺激をもたらす。

(THE ANSWER編集部・上田 悠太 / Yuta Ueda)



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