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「ベスト4は不可能じゃない」 2大会連続主将・箕内拓郎が日本代表に期待する根拠

箕内氏プール戦突破の1つのポイントに開幕戦を挙げた【写真:吉田宏】
箕内氏プール戦突破の1つのポイントに開幕戦を挙げた【写真:吉田宏】

勝つことが自信につながる「経験や自信があれば…」

 箕内氏が主将として戦った2003、07年大会は、ともにプール戦で1勝も挙げることができなかった。この2大会の成績は、07年大会のカナダとの引き分け以外の7試合は全敗。当時の日本は、所属チームでの選手の雇用形態も選手個々のメンタリティーも、まだまだアマチュアレベルだった。その一方で、世界では1995年のプロ化容認を機に強豪国が一気にプロ化へと舵を切った。一部のプロ契約選手だけの部分的な“門戸開放”に留まった日本は、世界の潮流からは取り残される形になったのだ。

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「あの時代は環境の整備という部分では十分じゃなかった。選手の補償もアマチュアであるがゆえに不十分だったし、チーム、選手のマネジメントも難しかったと思います。選手もこの合宿は来るが次は来ないとか。ワールドカップまでは怪我をしたくないという気持ちが芽生えたりとかする。03年大会の向井さん、その後の萩本さんの時代もキツイ練習はしていました。ただし、選手が本当に自信を持って戦っていたかは難しい。でも、本当に足りなかったのは、勝利だったと思います。もし、どこかでウェールズに勝つとか、そういう自信や経験があれば、またちょっと違った結果だったかなと思います」

 選手の技術、体力、チームの戦術に加えて、環境面での“乗り遅れ”も大きく響いたと考える箕内氏だが、最も不足していたのは勝利に裏打ちされた自信だと指摘する。

 日本代表の進化を認める箕内氏。チームが目標にかかげる決勝トーナメント進出が簡単ではないことも熟知しており、プール戦突破の1つのポイントを開幕戦だと考えている。

「アイルランド、スコットランドから2勝は難しい。この2試合で1勝して、3勝1敗かなと思います。そこで重要になるのが開幕のロシア戦です。ファンの皆さんは、勝つのが当たり前と思うでしょうが、ワールドカップで勝つのは簡単じゃない。1点差でも勝つことが重要です。ここを勝ち切ることで、日本代表は自信を持って、アイルランド戦に挑めるはずです」

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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