9月に東京・国立競技場で開催される陸上・世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権は6日、同会場で最終日が行われた。大接戦となった女子100メートル障害決勝は誤表示で順位が二転三転する中、田中佑美（富士通）が12秒86（向かい風0.4メートル）で初優勝を飾った。場内は混乱したが、レース後はノーサイド。笑顔の集合写真が激写され「とても良い光景」「レースが終わればみんな仲間」など感動の声が寄せられた。

　混乱でもみんな笑顔だった。

　今大会のフィナーレとして行われた女子100メートル障害は田中と中島ひとみがほぼ並んでフィニッシュ。電光掲示板には一度田中が表示され、その後中島も表示された。会場は混乱するも最終的に田中の優勝とアナウンスされた。

　その差はわずか0秒003。すぐに順位が決まらない状況の中、選手たちはトラックに座って待機。時より笑顔で話しながら結果を待っていた。順位決定後は走った選手たちで円になり、健闘を称え合った。さらに今季限りで第一線を退く意向を表明している寺田明日香を中心に集合写真も撮っていた。

　中継でも映っていた光景にファンも感激の様子。日本陸上競技連盟公式Xは「記録を待つファイナリストたち　結果発表後、今年が最後の日本選手権だった寺田明日香選手をセンターに、全員で集合写真をとりました」と記し、実際の画像を公開すると、様々なコメントが書き込まれた。

「とても良い光景でした」
「すごく良い関係なのだと思いました」
「TVで見ていて涙もんでした」
「みんなライバルなのに仲良さそうで素敵だった」
「いい写真だよ　レース終われば仲間だな」

　優勝した田中も健闘を称え合った場面について「ああいった特別な時間をシェアできた皆さんと、特別な気持ちをその場で。そっちの時間を優先した」と振り返っていた。