「2番…え、1番!?」 0秒003差、着順は二転三転…混乱の女子100mH 超接戦を演じた選手の本音【日本選手権】
9月に東京・国立競技場で開催される陸上・世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権は6日、同会場で最終日が行われた。大接戦となった女子100メートル障害決勝は誤表示で順位が二転三転する中、田中佑美(富士通)が12秒86(向かい風0.4メートル)で初優勝を飾った。一時は優勝と表示された中島ひとみ(長谷川体育施設)は0秒003差の2位だった。

陸上・日本選手権最終日
9月に東京・国立競技場で開催される陸上・世界選手権の代表選考会を兼ねた日本選手権は6日、同会場で最終日が行われた。大接戦となった女子100メートル障害決勝は誤表示で順位が二転三転する中、田中佑美(富士通)が12秒86(向かい風0.4メートル)で初優勝を飾った。一時は優勝と表示された中島ひとみ(長谷川体育施設)は0秒003差の2位だった。
文字通りの大接戦だった。田中と中島ひとみが並んでフィニッシュ。どちらが勝ったか分からない中、電光掲示板にまず1位と表示されたのは田中だった。しかし、直後に中島が1位と表示が変わった。中島は両手で口元を押さえて歓喜の表情を浮かべた。
2人は健闘を称え合ってハグ。だが、その後に本来は6位だった寺田明日香が3位と表示されるなど混乱状態に。選手は輪になって決着の行方を見守り、最終的に田中が1位、中島が2位、3位が12秒93の福部真子で確定した。田中と中島は12秒86の同タイムだったが、着差ありで、その差はわずか0秒003の激戦だった。

選手たちも観客も、表示に振り回される形に。優勝した田中はレース後の取材で「もちろん気付いていましたけど、走り終わった後に結果は変わらない」とコメント。今季限りで第一線を退く意向を表明している寺田らと円を作って健闘を称え合ったが「ああいった特別な時間をシェアできた皆さんと、特別な気持ちをその場で。そっちの時間を優先した」と振り返った。
中島はゴール直後のことを問われると「自分でも何番かわかっていなかった。あ、2番……え、1番!? え、え、みたいになって2番。あぁ……という感じでした。掲示板を見て左右されました」と笑いながら本音を口にした。「優勝したかった気持ちは大きいですけど、自分の全力は出せたかなと思います」とも話した。
(THE ANSWER編集部)