中谷戦の代償で右腕は三角巾、腫れた目にサングラス…西田凌佑、棄権は会長判断「6R帰ってきた時に」
ボクシングのWBC&IBF世界バンタム級(53.5キロ以下)王座統一戦12回戦から一夜明けた9日、西田凌佑(六島)が都内で会見した。前夜は中谷潤人(M.T)に6回終了TKO負け。右肩を脱臼し、7回開始前に棄権した。激闘を振り返り、声援に感謝。悔しさをにじませつつも「何も言い訳はない」と思いを口にした。戦績は27歳の中谷が31勝(24KO)、28歳の西田が10勝(2KO)1敗。

西田凌佑が一夜明け会見
ボクシングのWBC&IBF世界バンタム級(53.5キロ以下)王座統一戦12回戦から一夜明けた9日、西田凌佑(六島)が都内で会見した。前夜は中谷潤人(M.T)に6回終了TKO負け。右肩を脱臼し、7回開始前に棄権した。激闘を振り返り、声援に感謝。悔しさをにじませつつも「何も言い訳はない」と思いを口にした。戦績は27歳の中谷が31勝(24KO)、28歳の西田が10勝(2KO)1敗。
激闘の代償が傷に現れていた。西田は脱臼した右腕を三角巾で吊るして登場。腫れた目を覆うようにサングラスをかけていた。西田の直前に会見をしていた中谷と会場でニアミス。フォトセッションに応じた。深く言葉こそ交わさなかったが、互いに歩み寄り握手を交わした。
会見では開口一番、感謝を口にした。「自分の応援が思ったよりも多くてとても力になりました」。下馬評では中谷が有利とされていた統一戦だったが、試合会場では「潤人」コールに勝るとも劣らない「西田」コールが響いていた。激戦から一夜明け「肩の痛みはまだありますが、今のところ大丈夫です。今日も病院に行って状態を見に行きます」と説明した。
中谷は自身の3倍の勝利を積み上げてきた相手。リーチの長さに対抗し、接近戦で打ち合った。「ロングでやるとパンチをもらう。距離をつぶして戦うのは決めていました。そうしないと勝てないので怖さはなかった」と振り返った。
負けなしの王者同士の一戦で、西田は王座から陥落し「シンプルに悔しいです」。3、4ラウンドでは優勢に進めるも、右肩の脱臼と偶然のバッティングによる目の負傷が重なった。「手ごたえは正直ありました。倒せるとしたら前半。後半は手数を増やして削っていきたかったがそれができなかった」と唇をかんだ。異変に気付いた中谷に、的確に弱点を突かれ「完敗だなと思います。肩をやられるのも中谷選手の強さ。何も言い訳はないです」と口にした。
今後について聞かれると「目の腫れも引いて、目がどれぐらい見えるか。肩の状態も分からない」。見通しは不明というが「悔しい気持ちはあります」と熱く語った。
陣営の枝川孝会長は試合を振り返り「5ラウンドに入って急に動きが悪くなった。6ラウンドで帰ってきた時に『実は肩が外れた』と言うんで。そのタイミングで目もふさがってしまった。この後、ボコボコにされて傷ついても意味がないので、私の決断で止めました」と話した。その上で「バッティングに関してはどうしようもない。西田はよくやったと思います。西田の応援の方が多かったと私は感じている」と称えた。
(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)