韓国の陸上中継で解説者が激怒「恥ずかしい」 まるでジョギング…“談合疑惑”に猛批判「国家が深刻に考えないと」
韓国で行われた陸上の国内大会で、選手たちが全く競らない“怠慢”とも言えるレースが繰り広げられ、放送中に解説者が激怒するという事件があった。「もう、こんな種目の中継はやめましょう」「小学生だってもっと速く走りますよ」とまで言う裏には、韓国の陸上界が抱える病巣とでも言うべき現実があった。

男子3000メートル障害、全く競らない選手たちに怒りが爆発
韓国で行われた陸上の国内大会で、選手たちが全く競らない“怠慢”とも言えるレースが繰り広げられ、放送中に解説者が激怒するという事件があった。「もう、こんな種目の中継はやめましょう」「小学生だってもっと速く走りますよ」とまで言う裏には、韓国の陸上界が抱える病巣とでも言うべき現実があった。
5月21日に韓国・ミリャン(密陽)で行われた全国大会の男子3000メートル障害。大学の部は異様なレースとなった。スタートラインに立った7人は、まるでジョギングのようなペースで走り出し、集団を崩さない。走りながら、隣の選手と言葉を交わす場面までカメラに抜かれている。これを中継内で猛批判したのが、解説のユン・ヨチュン氏だ。
「ジョギングですらない。ウォーキングより少し速いくらいです。失望を与えています。これが大学陸上の現実です。陸上人として恥ずかしい」「視聴者も当然チャンネルを変えますよ。もうこんな種目の中継はやめましょう」「本当に傷つきます。小学生だってもっと速く走りますよ」「小学生の800メートルをよく中継しますが、こんな走りはしません」と厳しい言葉を連発。実況アナをさしおいての猛批判を展開した。
男子大学生の韓国記録は、2007年に残された8分50秒41。韓国記録は1990年の8分42秒86。ところがこのレースの優勝タイムは10分16秒56というものだった。女子の韓国記録にすら、大きく劣るタイムだという。
韓国の公営放送「KBS」は、1日まで行われたアジア陸上選手権でも解説を務めたユン・ヨチュン氏を直撃し、真意を問い質している。
韓国陸上のスター選手といえば、2021年の東京五輪で4位に入賞した男子走り高跳びのウ・サンヒョクがいる。ただトラック競技で五輪出場できる選手がいない韓国の現状について嘆き、さらにこの中継について「最善を尽くして、記録が出ないのは仕方がない。本人の水準の問題ですから。でも談合をしてレースに臨むなんて、そこから小中学生は何を学べばいいんですか?」と指摘した。
勝利に対して報奨金が与えられるため、とにかく国内大会で勝とうとし、記録への挑戦や国際大会を軽視する風潮があるのだという。ユン・ヨチュン氏は「国体で金メダルを取れば、1億ウォン(約1000万円)近くを受け取ります。そうじゃなくて、記録に対する保証をしないといけない。国家や体育会が深刻に考えないといけない問題です」と訴えていた。
(THE ANSWER編集部)