ハンドボール新リーグ佳境 大勝ジークスター東京、初代王者へ…変わるスター軍団の意識「守れない選手は出さない」
ハンドボール・リーグHのジークスター東京が10日、アースフレンズBM東京・神奈川に大勝した。リーグH初代王者を目指してレギュラーシーズン3位につけるジークスターは、序盤から相手を圧倒。前半を20-10と大差で折り返すと、試合終了まで集中力を切らさず38-19と今季初のダブルスコア勝ちを収めた。ジークスターは勝ち点を41に伸ばし、首位豊田合成ブルーファルコン名古屋との1差を守った。

アースフレンズBM東京・神奈川に38-19大勝で首位と1差堅守
ハンドボール・リーグHのジークスター東京が10日、アースフレンズBM東京・神奈川に大勝した。リーグH初代王者を目指してレギュラーシーズン3位につけるジークスターは、序盤から相手を圧倒。前半を20-10と大差で折り返すと、試合終了まで集中力を切らさず38-19と今季初のダブルスコア勝ちを収めた。ジークスターは勝ち点を41に伸ばし、首位豊田合成ブルーファルコン名古屋との1差を守った。
レギュラーシーズン残り3試合、25日の首位豊田合成戦に向けて負けられないジークスターは序盤から粘り強いディフェンスで試合を支配した。7-3、13-5と着実に差を広げ、前半だけで大量10点のリード。さらに、この日目立ったのは、後半の強さだった。
前節のブレイヴキングス刈谷戦では序盤に9点差をつけながら徐々に詰められて引き分けた。上位だけでなく、下位チームにも同様に前半リードしても後半に迫られるパターンが多かった。ところが、この日は後半もペースが落ちず。25-11、32-15と差を広げ、最終的に今季最多の19点差、相手の倍の38点を奪った。
「選手たちが最後まで足を止めることなく戦ってくれた」と佐藤智仁監督は満足そうに言った。相手がどこであれ、後半に足が止まるのは「心の問題」と同監督。この日は「心」が最後まで切れず、ミスから崩れることもなかった。「どんな試合にも必ず波がある。これまではその落ち込みが大きかったけれど、今日は小さく抑えることができた」と大勝を振り返った。
けが人が戦列に戻り、チーム内の競争が激しくなってきたことも好材料だ。4月に復帰したベテラン司令塔、東江雄斗が4得点すれば、同じ沖縄出身の若き司令塔、伊禮雅太も3ゴール。新旧の日本代表司令塔が激しく争う。RB元木博紀も復帰戦でゴール。「まだまだです」と言いながらも、プレーオフに向けて視界も開ける。
「ケガしていた東江や信太(弘樹)のパフォーマンスが上がっている。それが若い選手を刺激している。みな、試合でアピールしようとしている」と佐藤監督。「守れない選手は出さない。中途半端なプレーをしたら出さない、と言っています」。スター選手ぞろいなだけに忘れられがちだった守備の意識。この日、もっとも光ったのは選手たちの労を惜しまないディフェンスだった。
ベンチに座るのが、日本代表経験者ばかりという豪華布陣。「他のチームならスタートで出るような選手たち。このレベルの選手たちが本気でやり合ってくれれば」と佐藤監督はチーム内の競争激化によるチーム力アップに期待する。
残り2試合、日本リーグ時代から「5連覇」を目指す豊田合成はプレーオフでも再戦する可能性があるが「先のことを考えて試合ができる立場ではない。我々はチャンピオンではなく、チャレンジャー。どういう状況になっても勝ちに行きます」。佐藤監督は悲願の日本一、初代リーグH王座を目指して言いきった。(荻島 弘一)
(THE ANSWER編集部)