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「まだ現役なのに…」 遅咲き28歳で柔道全日本制覇、香川大吾が味わった悔しさ「次の五輪は狙います」

岐路に立たされている「4・29」全日本

 数々の「名勝負」に彩られ「名選手」を輩出し「伝説」を生んできた全日本選手権。中量級(80キロ級)選手だった「昭和の三四郎」岡野功と関根忍の優勝、山下泰裕と斉藤仁の五輪金メダリスト同士の激突、71キロ級古賀稔彦、78キロ級吉田秀彦の準優勝の活躍、小川直也、篠原信一、井上康生、鈴木桂治、石井慧ら世界の重量級を制した選手たちが大会を沸かせた。

 しかし、2010年代に入って日本の重量級の世界での苦戦が続くと、大会人気も落ち着いた。20年東京五輪から全日本が代表選考の対象を外れ、大会の価値にも「陰り」が見えてきた。もっとも、選手たちの「全日本選手権」への思いは変わらず強い。今大会でも、出場選手はみな「最高の舞台」「出場が財産」と口をそろえた。

 今大会は五輪翌年というタイミングもあり、ルール変更や推薦枠の拡大など軽量級選手にも「出場しやすい」大会にしたことで、多くの人気選手が畳に上がった。最近は空席が目立っていたスタンドも、注目度の高さを表すようにファンでぎっしり。今大会に限れば、全日本選手権の「大会改革」は成功に見える。

 もっとも、これからも持続可能な大会とするためには、さらなる改革が必要になる。これまで秋が多かった世界選手権の開催時期が5、6月に移行。全日本柔道連盟の山田利彦強化委員長は「選手たちが出場しやすいように考えていきたい。日程の問題も、議論になっている」と話した。4月29日の開催も再考される時かもしれない。

「天皇誕生日」だった昭和から続く「4・29」だが、前日の28日に講道館での開催が恒例となっていた全国高段者大会は今年から年2回東京と大阪で開催、講道館での大会は10月に移行した。すでに柔道カレンダーは過密気味だが、全日本選手権がさらに発展し、柔道の魅力を発信していくために、開催時期は移行のタイミングなのかもしれない。(荻島弘一)

(THE ANSWER編集部)


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