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「まだ現役なのに…」 遅咲き28歳で柔道全日本制覇、香川大吾が味わった悔しさ「次の五輪は狙います」

豪華メンバーを制して柔道日本一に輝いたのは、遅咲きの28歳、香川大吾(ALSOK)だった。体重無差別で争う全日本選手権が29日、東京・日本武道館で行われ、香川が決勝で3度目の優勝を狙った原沢久喜(長府工産)を破って初優勝。広島・崇徳高3年の時に初出場し、7回目の挑戦で初めて頂点に立った。

全日本選手権で優勝し、感極まる香川大吾【写真:産経新聞社】
全日本選手権で優勝し、感極まる香川大吾【写真:産経新聞社】

体重無差別で戦う柔道・全日本選手権

 豪華メンバーを制して柔道日本一に輝いたのは、遅咲きの28歳、香川大吾(ALSOK)だった。体重無差別で争う全日本選手権が29日、東京・日本武道館で行われ、香川が決勝で3度目の優勝を狙った原沢久喜(長府工産)を破って初優勝。広島・崇徳高3年の時に初出場し、7回目の挑戦で初めて頂点に立った。

 決勝の8分間、得意の大内刈りで奪った技ありを守り抜いて優勢勝ちを決めると、180センチ、135キロの香川は両手を広げて喜びを爆発させた。よほどうれしかったのだろう、主審から注意を受けながらもスタンドに向かって2度、3度とガッツポーズ。「何度も挑戦し、やっと頂点に立つことができました」と優勝インタビューで口にした。

 崇徳高2年だった14年3月に中国予選を制し、14年大会に17歳2カ月で出場して初戦も突破。19年に17歳1カ月の斉藤立に更新されるまで出場も勝利も最年少記録だった。もっとも、その後はベスト8の壁を破れず、シニアではタイトルに届かず。大会のプログラムには「死力を尽くして優勝を狙います」と意気込みを寄せていたが、優勝候補として名前が挙がることはなかった。

 驚きの快進撃だった。2回戦、3回戦と判定で勝ち進むと、準々決勝では東海大の1年後輩で世界選手権100キロ超級代表の太田彪雅(旭化成)にも判定勝ち。準決勝では連覇を狙う中野寛太(旭化成)を技ありで破り、決勝も原沢に勝利。優勝経験者3人を次々と破り「100キロ超級には香川もいるぞ、とアピールできた」と話した。

 悔しい思いをしてきた。1948年の第1回大会から77回の歴史の中で山下泰裕、井上康生ら11人しかいない高校生での全日本出場。「高校生の時はすごかったよね」と周囲に言われるたびに「まだ現役なのに、と悔しい思いをしました」。この4月からは東海大柔道部の助監督に就任。指導者の道へスタートを切りながらも「ベテランだけれど、次の五輪は狙います」と現役選手として言い切った。

「小さいころから映像を繰り返し見て、憧れてきた大会」と香川は全日本選手権を評した。日本中の柔道家が目指す夢舞台。すでに代表レベルの戦いからは距離を置く原沢も「自分の原点」。今年中にはコーチとして米国に渡る予定だが、決勝進出で来年の出場権を手にしたことで「引退が1年延びました」と笑った。

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