柔道で19歳大学生が歴史的下剋上 体重2倍の相手も破り…57kgで無差別日本一あと1勝、白金未桜の躍進
体重無差別で柔道日本一を争う皇后杯全日本女子選手権が20日、横浜武道館で行われ、57キロ級の白金未桜(19=筑波大)が準優勝した。初出場の白金は、積極的に技を仕掛けて大型選手を次々と撃破。決勝で78キロ級の田中伶奈(大阪府警)に敗れて史上最軽量での優勝こそ逃したが、155センチと小柄な体で大会を沸かせた。

全日本女子選手権で準優勝した筑波大・白金未桜
体重無差別で柔道日本一を争う皇后杯全日本女子選手権が20日、横浜武道館で行われ、57キロ級の白金未桜(19=筑波大)が準優勝した。初出場の白金は、積極的に技を仕掛けて大型選手を次々と撃破。決勝で78キロ級の田中伶奈(大阪府警)に敗れて史上最軽量での優勝こそ逃したが、155センチと小柄な体で大会を沸かせた。
初戦の2回戦で自分の倍、115キロの高山紗楓(警視庁)を判定で破って波に乗った。3回戦で78キロの和田梨乃子(パーク24)から有効を奪って勝つと、4回戦、準決勝も判定勝ち。相手のふところに飛び込んで得意の袖釣り込み腰や背負い投げを連発。「スタミナには自信があった」と全試合規定の5分を戦い抜いて決勝に駒を進めた。
体重に関係なく「日本一」を争う大会。上位に顔を出すのは78キロ超級や78キロ級など重量級が多い。40回目を迎えた大会で、最軽量優勝は1985年第1回大会の八戸かおりで61キロ。決勝進出選手の最軽量も八戸で、この時点でも「最軽量記録」は塗り替えていたが、その決勝前に筑波大の岡田弘隆監督から「すごいことになるぞ」と声をかけられ「優勝したいと思った」と振り返った。
決勝でも身長で15センチ、体重で21キロ差がある田中を相手に果敢に攻めた。この大会の特別ルールで試合時間は準決勝までが5分で、決勝が8分。大きな相手との連戦で疲れもあったのか、5分29秒にきれいな大外刈りで一本を奪われて敗れたが「軽量級でも戦えることを実感できた」と胸を張って話した。
5日の選抜体重別60キロ級で準優勝した兄(宏都)を追いかけ3歳で柔道を始めた。兵庫・夙川学院中に入学した時に夙川学院高3年にいたのが東京五輪金メダルの阿部詩。「一緒に練習して、技も受けてもらいました。すごい憧れの選手です」。中3の時に長野・佐久長聖中に転校。昨年、佐久長聖高から兄のいる筑波大に進学した。
今年の目標は昨年2回戦で敗退した世界ジュニア選手権のリベンジ。「全日本ジュニアで優勝して、世界ジュニアでも勝ちたい。その後のことは、そこをクリアしてから」と話した。さらに、体重無差別の戦いにも意欲をみせ「来年もこの大会に出場して、今度は頂点に立ちたい」と史上最軽量優勝を目指して言いきった。(荻島 弘一)
(THE ANSWER編集部)