Amazonプライムで生配信

　ボクシングの帝拳プロモーションは18日、都内で会見し、6月8日に東京・有明コロシアムでWBC世界バンタム級王者・中谷潤人（M.T）とIBF同級王者・西田凌佑（六島）の王座統一戦、那須川天心（帝拳）の世界前哨戦を開催すると発表した。那須川はWBA同級6位ビクトル・サンティリャン（ドミニカ共和国）と同級ノンタイトル10回戦で激突。この日は各選手が会見に出席した。興行はAmazon プライム・ビデオで生配信される。

　那須川のボクシング転向7戦目は「世界前哨戦」と銘打たれた。2月の前戦は元世界王者ジェイソン・モロニー（オーストラリア）に判定勝ち。今回は11月頃に見据える世界初挑戦に向けた前哨戦となる。

「前回、モロニー選手と戦ってしっかり自分の実力が世界に通用すると自分も、見ている人もわかったと思う。相手はサウスポー。世界王者はサウスポーが多いのでそれに向けてというのもある。自分の中ではボクシングを始めて2年でこの立ち場にこられたのは、日々のトレーニングと周りの環境のおかげ。ここからが勝負。次の試合と今年の試合でどうなるか、たくさん楽しみがある。この試合でも狼煙を上げたい」

　サウスポーのサンティリャンは7年前にアマチュアからプロ転向。13連勝した後、2023年6月に石田匠（井岡）とのWBA世界バンタム級挑戦者決定戦で1-2の判定負けを喫した。昨年6月に再起し、那須川戦に臨む。

　那須川は「全体的に何でもできる選手。近い距離も遠い距離も。そこに向けて打ち負けてはいけないと思う」と語った。

　那須川は格闘技戦績47戦全勝（キックボクシングは42戦）でボクシングに転向。ボクシング5戦目の昨年10月に獲得したWBOアジアパシフィック（AP）バンタム級王座を、今月17日付で返上した。世界ランクはWBC1位、WBA2位、WBO2位、IBF4位につけている。戦績は26歳の那須川が6勝（2KO）、29歳のサンティリャンが14勝（5KO）1敗。

　中谷は西田と念願の統一戦となる。2月の前戦は同級6位だったダビド・クエジャル（メキシコ）に3回KO勝ち。3度目の防衛に成功した。西田は昨年5月のプロ9戦目で王座奪取。同12月に初防衛した。中谷は来年春には井上と東京Dで戦うことも期待されている。戦績は27歳の中谷が30勝（23KO）、28歳の西田が10勝（2KO）

　バンタム級の他2つの世界王座はWBAに堤聖也（角海老宝石）、WBOに武居由樹（大橋）が就き、日本人が主要4団体を独占している。

　さらに、アマチュアの2021年世界選手権王者でWBO・APバンタム級2位の坪井智也（帝拳）が、プロ2戦目で同級王座決定戦10回戦で同級1位バン・タオ・トラン（ベトナム）と対戦。3月のプロデビュー戦で2回TKO勝ちした実力者が異例のプロ2戦目でタイトルに挑戦し、WBO世界12位とぶつかる。戦績は29歳の坪井が1勝（1KO）、32歳のバン・タオ・トランが18勝（10KO）1敗。