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女性より朝食を食べられないプロ野球選手 子ども時代の食習慣が大切なこれだけの理由

栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。今回からプロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が新たに講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第16回は「子ども時代の食習慣の大切さ」について。

第16回のテーマは「子ども時代の食習慣の大切さ」について
第16回のテーマは「子ども時代の食習慣の大切さ」について

連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」第16回

 栄養・食事の観点からジュニア世代の成長について指南する、「THE ANSWER」の保護者向け連載「強い子どもを育てる ミライ・アスリートの食講座」。今回からプロ野球・阪神タイガースなどで栄養サポートを行う公認スポーツ栄養士・吉谷佳代氏が新たに講師を務め、わかりやすくアドバイスする。第16回は「子ども時代の食習慣の大切さ」について。

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 スポーツをするジュニア~ユース世代にとって、最も大事な食事のポイントとは何でしょう? ヒントは、「成人のスポーツ選手とジュニアの選手の違い」にあります。

 両者の違いとはズバリ、「体の大きさ」です。成人の選手はこれから身長がグングン伸びていくことはありませんが、ジュニアからユースの選手たちは、10センチ、20センチと伸びていきます。同時に体重も増え、臓器や器官の発育も大きい時期です。ですから成人の選手は、今、結果を出す、パフォーマンスを発揮するための食事を最優先に考えますが、ジュニア世代は「今」よりも「これからの成長」を考えた食事が重要です。

 近年、サッカーをやっている小学5、6年生の男子を対象とした研究では、貧血の発生率が3割にものぼるという結果が報告されています。この結果が意味するのは、スポーツをする子供たちの「栄養不足」です。

 血液中のヘモグロビンや赤血球などは、食事で摂った栄養素を全身に送り届ける役目があります。また、運動時に筋肉を動かすために酸素を全身に運ぶのもヘモグロビンや赤血球です。小学生の高学年にもなると練習もしっかり積むようになり、体を動かすために血液がどんどん使われます。すると、食事量が足りない子どもは成長に必要な血液を確保できず、栄養素を運ぶ余裕もなくなってしまう。つまり、貧血の症状がある子どもは、成長のための栄養が十分摂れていないことを意味します。

 例えば学校給食では、スポーツをしている子もしていない子も、同じ食事を摂ります。しかし、スポーツをしている子どもは、運動時に栄養が使われる分、スポーツをしていない子と同じ量を食べているだけでは強い骨や十分な血液を作ることができなくなる、といわれています。成長期のスポーツをする子どもは、必要な栄養素量を3食だけでは賄いきれない可能性があるため、食事と補食(栄養の摂れる間食)で、日常生活+成長+日々の運動に必要な食事をしっかり食べる習慣づけが必要です。

 また、量をしっかり食べるだけでなく、好き嫌いなく何でもよく食べる習慣を子どもの頃につけておくと、将来「強い選手」「パフォーマンスを発揮できる選手」になれます。

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吉谷 佳代

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

江崎グリコ株式会社で健康食品開発や、スポーツサプリメントの研究開発に従事。その傍ら、多くのアスリート、学生スポーツ、ジュニアへの栄養指導、食育イベントに携わる。2013年に独立。以降、ジュニアからトップアスリートまで幅広い競技の選手に対し、栄養サポートを行う。現在、プロ野球・阪神タイガース、実業団女子バレーボール・JTマーヴェラスのチーム専属栄養士。過去には、シスメックス女子陸上競技部(2015~2020年)、Bリーグ・西宮ストークス(2014~2017年)、自転車ナショナルチーム(2013~2018年)をはじめ多くのプロ選手やジュニア選手の栄養サポート実績を持つ。

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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