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冬場の健康維持にも効果 牛乳が「天然の栄養ドリンク」と言えるこれだけの理由

牛乳は天然の栄養ドリンク「筋肉量アップに効果的」

 次に、「体を大きくしたい」「筋肉量をアップしたい」とき、できるだけ効率よく牛乳を摂る方法についてです。

 例えば、早朝、筋トレをするような場合、何も口にしないでトレーニングをする選手を見かけます。朝の体は、前の日の晩から絶食状態。たんぱく質の分解が進むため、トレーニング前にたんぱく質やエネルギー、水分などが手軽に摂れる牛乳・低脂肪牛乳を、コップ1~2杯程度飲むのがおすすめです。

 そして、ウエイトトレーニング後も、牛乳・低脂肪牛乳を摂ります。必須アミノ酸を補うことでたんぱく質の合成が進み、筋肉量アップに効果的です。

 ただし、たんぱく質の合成を高めるためには、1回20g程度のたんぱく質を摂るとよいことが報告されています。牛乳だけで摂ろうとするとコップ3杯とかなりの量を飲むことが必要。ですから、牛乳コップ1杯とプロテインバーのようなものを摂る、もしくは、とりあえず牛乳1杯をお腹に入れ、その後、あまり時間を置かずに肉や魚、卵、納豆などを含む朝食を摂れば、筋肉作りが効率よく行われます。

 また、小腹が空いた時の補食に、あるいは食事だけではたんぱく質が足りない時に牛乳をプラスすることで、必要以上にお金をかけず、体作りに必要な栄養素を摂取することができますよ。

 今年は新型コロナウイルス感染症の拡大が、酪農乳業にも様々な影響を与えました。先日、一般社団法人日本乳業協会の会合に出席し、農林水産省の方の報告を伺いましたが、3月から春休みに入るまで学校が一斉に臨時休校になり、学校給食用に用意されていた牛乳約2万キロリットル、1日60万本の牛乳が行き場を失ったそうです。

 しかし、その後は農水省、生産者団体や乳業メーカーが一丸となり、牛乳・乳製品の購入を広く呼び掛けたり、チーズやバター、脱脂粉乳などの保存の利く乳製品へと加工したりすることができ、結果的には例年以上の販売数を達成することができたといいます。

 問題は今頃からの寒い時期です。生乳の生産は寒くなる時期から6月ぐらいにかけて、ピークを迎える一方、消費者は寒くなると、牛乳を飲まなくなる傾向があるからです。

 しかし、乳牛の病気を防ぐためにも、毎日搾乳し続ける必要があり、生乳生産量は短期的にコントロールすることができません。今年はバターや脱脂粉乳などの在庫水準が高く、外食等における牛乳乳製品の業務用需要は回復しきっていないことなどから、冬場も引き続き牛乳乳製品の積極的な摂取を呼びかけることが課題だと話していました。

 エネルギーにたんぱく質、そして骨の材料となるカルシウムがダントツに多い牛乳は、天然の栄養ドリンクです。冬場の健康維持のために、スポーツ選手、スポーツ愛好家に限らず、牛乳や乳製品を積極的に取り入れてみてはいかがでしょうか?

(長島 恭子 / Kyoko Nagashima)

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橋本 玲子

株式会社 Food Connection 代表取締役

管理栄養士/公認スポーツ栄養士

ラグビーワールドカップ(W杯)2019で栄養コンサルティング業務を担当。2003年ラグビーW杯日本代表、サッカーJ1横浜F・マリノス(1999年~2017年)、ラグビーリーグワン・埼玉パナソニックワイルドナイツ(2005年~現在)ほか、車いす陸上選手らトップアスリートのコンディション管理を「食と栄養面」からサポート。また、ジュニア世代と保護者に向けての食育活動も行う。アメリカ栄養士会スポーツ循環器栄養グループ(SCAN)並びに、スポーツ栄養の国際的組織PINESのメンバー。アメリカ栄養士会インターナショナルメンバー日本代表(IAAND)として、海外の栄養士との交流も多い。近著に『スポ食~世界で戦うアスリートを目ざす子どもたちに~』(ベースボールマガジン社)

URL:http://food-connection.jp/

長島 恭子

編集・ライター。サッカー専門誌を経てフリーランスに。インタビュー記事、健康・ダイエット・トレーニング記事を軸に雑誌、書籍、会員誌で編集・執筆を行う。担当書籍に『世界一やせる走り方』『世界一伸びるストレッチ』(中野ジェームズ修一著)など。

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