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サッカー以外に武器はあるか? 元Jリーガー社長が語る引退後の進路選択で大切なこと

プロ選手が引退時に持っている武器は少ない

「いつかはJアカデミーから米国留学した選手に、Jクラブのトップでプレーしてもらいたい。しかし一方で多くの日本の高校生には、サッカーという武器を使って英語を習得する道があることを知ってほしい。社内の公用語を英語に設定している企業も増えています。いくら成績が良くても、英語ができないから弾かれるケースもありますからね」

 今振り返れば、早期にプロ生活に見切りをつけたからこそ、新しい挑戦に踏み切れたという見方もできる。

「プロになるまでに15年間費やしてきたなら、また15年間下積みをして次の仕事を探してもいい。どうしてもプロ選手がセカンドキャリアを探す場合、その時点で持っている武器の中から手近なことに着手しがちです。でもサッカーしかやってきていないのに、辞めた時点で持っている武器など知れています。だから僕は敢えて、今まで知らない世界を見てみようと挑戦した。遠回りしたことが成功の要因だと思っています」

 現在、中村は株式会社「WithYou」の代表取締役として、西村は取締役として多忙な日々を送っている。(文中敬称略)

【第1回】プロ2年目で戦力外→8年後「社長」に 元Jリーガー中村亮が米国で見出した第二の人生

【第2回】サッカーへの未練断ち切った2年間 元Jリーガー中村亮、中学教員を経験して訪れた転機

【第3回】サッカーで「劇的に伸びた」英語力 元Jリーガー中村亮が米国で起業を決意した瞬間

■中村 亮(なかむら・りょう)

 1981年8月13日生まれ、兵庫県出身。長身サイドバックとして滝川第二高校で頭角を現すと、98年度の全国高校サッカー選手権でベスト4に進出。鹿屋体育大学でも活躍し、2003年には大学選抜の一員としてユニバーシアード大邱大会で優勝した。04年にFC東京へ加入するも、怪我の影響によりJリーグのピッチに一度も立つことなく05年限りで引退。その後は中学校での教員生活などを経て、米国へ語学留学した。自身の現地での経験から起業を思い立ち、現在は株式会社WithYou代表として、日本から米国へのサッカー留学をサポートしている。

(加部 究 / Kiwamu Kabe)

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加部 究

1958年生まれ。大学卒業後、スポーツ新聞社に勤めるが86年メキシコW杯を観戦するために3年で退社。その後フリーランスのスポーツライターに転身し、W杯は7回現地取材した。育成年代にも造詣が深く、多くの指導者と親交が深い。指導者、選手ら約150人にロングインタビューを実施。長男は元Jリーガーの加部未蘭。最近、選手主体のボトムアップ方式で部活に取り組む堀越高校サッカー部のノンフィクション『毎日の部活が高校生活一番の宝物』(竹書房)を上梓。『日本サッカー戦記~青銅の時代から新世紀へ』『サッカー通訳戦記』『それでも「美談」になる高校サッカーの非常識』(いずれもカンゼン)、『大和魂のモダンサッカー』『サッカー移民』(ともに双葉社)、『祝祭』(小学館文庫)など著書多数。

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