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戦力外通告後に決めた100万円の自己投資 2軍球団から再起の小林珠維、ド軍剛腕と出会い変わった“思考”

小林珠が米国の自主トレで見つけたこと【写真:オイシックス球団提供】
小林珠が米国の自主トレで見つけたこと【写真:オイシックス球団提供】

米国自主トレで感じた日本人の特性「何に縛られているんだろう…」

「グラスノーと練習していて思ったんですが、ああいう人たちこそ丁寧にトレーニングしているんです。トップになればなるほど、地味なトレーニングをしているし、そこにはいろんな要素が詰まっている。同じトレーニングでも意識が違うとか。それを肌で感じられたのは本当に貴重な経験でした」

 施設では身体の計測に始まり、投球動作の変化をデータで検証しながら、自分に合う動きを見つけていった。さらに帰国後も、アプリを使って相談を続けられるシステムだ。チームとしての行動が多いソフトバンクと比べ、オイシックスではどうしても空き時間が増える。そこも成長のために有効活用したいと狙っての投資でもあった。

 米国での自主トレで、もう一つ開けた世界がある。施設では韓国や台湾、中南米の選手も自主トレをしていた。「ラテンの選手には、僕より若いのに100マイルを簡単に出す投手もいて……。それも野手だったというんです」。それぞれに特徴があるボールを投げていた。さらに集中力と、オンオフの切り替えが衝撃だった。

「世界にはすごい選手がいっぱいいるんだなと。やるべきことさえやっていれば何をやってもいいよという感じで、日本人はいったい何に縛られているんだろうと思いました。常にオープンでポジティブという気持ちの持ち方は、見習わないといけない」

 野球という世界は実はとてつもなく広く、深いと知った。オイシックスからは昨夏、吉田一将投手が台湾プロ野球の台鋼ホークスに移籍。15試合で防御率0.57と好投し2年目の契約をつかんだ。さらに韓国プロ野球では2026年からアジア選手枠が設けられる。日本の選手が海外でプレーする道は、目を開けばたくさんある。小林珠もまずはNPBへの復帰を目指すが、海外からも「目を付けられるようになりたいですね」と目を輝かせる。

 オイシックスでは投手に専念する。高校時代から、投手としてプロに挑みたいと思っていたのに加え「大谷(翔平)さんみたいなトップの打者とトップの投手ならともかく、まあまあ同士じゃ中途半端になってしまう」という二刀流の現実も感じた。2軍球団での活躍の向こうに、新たな可能性が開けている。

(THE ANSWER編集部・羽鳥 慶太 / Keita Hatori)

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