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世界王者の兄を超える夏…比較の宿命を歓迎する20歳弟の決意「僕は楢崎明智なんだ」

自らのスタイルや強み、葛藤について語った楢崎明智【写真:小倉元司】
自らのスタイルや強み、葛藤について語った楢崎明智【写真:小倉元司】

体格を生かした大胆な登りが武器だが「技術を見せつけたくて」葛藤も

 今は自分の武器で世界の頂きに登ろうとしている。身長170センチの兄に対し、明智は187センチ。繊細な技術を持ち合わせながら、海外勢と比較しても長い手足を生かした登りが長所だ。

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 クライミングはホールドと呼ばれる突起物に手や足を掛け、ルートセッター(設計者)の練り上げたコース(課題)を登っていく。どの選手も一番登りやすいコースを通るため、どのホールドにどう手足を掛けるかなど、似通ったものになるが、体格で勝る明智はルートセッターの想定を超える動きが可能だ。

 自らのスタイルを「課題を壊す。人より身長がある分、人ができないような動きもできる」と説明した。ホールドを飛ばしてぐいぐいとダイナミックに動く背中は、見る側を楽しませる。昨年の世界ユース選手権ジュニアの部でボルダリングとリードの2冠。この武器を作り上げるまでにも紆余曲折があった。

 海外の課題に比べ、国内の大会は日本人の体格に合わせてホールド間の幅が狭く作られる。入念に練られたホールドの角度などにより、課題を壊して登ることができないように設定され、明智の強みが生かされにくかった。やろうと思えばホールドを飛ばすこともできたが「デカいから登れたんだろって思われるのが悔しくて、それでずっと葛藤していた部分もある」と振り返る。プライドが顔を出し、あえて他の選手と同じ方法で登っていた。

「実際は技術があるんだぞというのを見せつけたくて、大会でも凄くこじんまり登っていた。W杯でも、逆にみんなが飛ばしているのに僕だけ飛ばさないとか。結局、みんなは飛ばして登れるのに僕は飛ばさないで(完登)できないこともあった」

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