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高校野球で続く「7回制」議論、米国はルールをどう決める? 球数、休養日…改正は“現場の声”から

最も注意を払う第3部「これがルール改正案を生むきっかけに」

 ホプキンス氏が最も注意を払うのは、第3部だという。ここには、NFHSが問題視しているテーマについて「~に賛成しますか」と賛否を問う質問が設けられ、加盟団体からの回答が集まる。ホプキンス氏は具体例を挙げて説明した。

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「今、スポーツマンシップに関する問題を多く抱えています。小道具の問題です。高校生がホームランを打ってベースを一周すると、頭に王冠がかぶせられたりする。不必要なことですが、メジャーリーグや大学野球で見ているから、彼らは問題ないと思ってやっているんです。こうした状況が悪化しているという議論をずいぶん重ねてきました。『小道具への厳罰化』に賛成するかどうかを書き込むわけです。これがルール改正案を生むきっかけになります」

 アンケート調査をする一方で、これとは別にルール変更の提案を受け付ける期間も設けている。コーチ、審判、州の高校体育協会関係者など、競技に関わる人々が提案を出すことができる。

 アンケート調査やルール変更提案をNFHSのルール編集者が整理し、6月第1週ごろに開かれる野球のルール委員会にかける。

 競技別のルール委員会は、アメリカンフットボールを除いては、基本構成として11人。NFHSでは全米を8地区に分けており、その8地区から1人ずつ代表を出す。議長は地区の代表とは別に任命され、さらにNFHSコーチ協会、NFHS審判協会から各1人が加わる。

 そして、このルール委員会の投票によってルールが決まる。委員会で必要があれば、医師や弁護士などの専門家が助言者として参加することもあるが、こうしたコンサルタントは投票権を持たない。

 ただし、細かいことをいえば、この委員会投票は最終決定ではない。NFHS内部でルール・レビューし、内容の妥当性、学校や州協会への費用負担の妥当性、NFHSの方針との整合性が確認されるという手続きを踏み、NFHSの理事会が最終的に承認する。

 先に述べたように、NFHSのルールは絶対的ではない。米国の各州の高校体育協会は7回制を採用しているが、ダブルヘッダー規定、二軍の試合規定などは州によって異なることがある。

 ミネソタ州では2018年には、悪天候に対応するための特例としてダブルヘッダーは両チームが合意した場合には5回制でも可能などと規定した。また、フロリダ州のように二軍や新人の試合では、7回制でかつ2時間を過ぎたら、新しいイニングに入らないと区切る規則も存在する。

 10年ほど前にNFHSでは投手の投球数と休養日規則を導入した。これ以前には投手が投げるイニングやアウト数の制限だった。この投球数と休養日規則は全米一律のルールではなく、NFHSの規則は、各州の高校体育協会に投球数・休養日制限規則の導入を求めるもので「具体的な規則は各州の高校体育協会が定める」とした。

 各州の高校体育協会の裁量部分がある。広大なアメリカは気候の違いも大きい。ホプキンス氏も「カリフォルニアではほぼ一年中プレーできます。アラスカはシーズンがせいぜい4~5週間しかありません」とした。

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谷口 輝世子

デイリースポーツ紙で日本のプロ野球を担当。98年から米国に拠点を移しメジャーリーグを担当。2001年からフリーランスのスポーツライターに。現地に住んでいるからこそ見えてくる米国のプロスポーツ、学生スポーツ、子どものスポーツ事情を深く取材。近著に『なぜ、子どものスポーツを見ていると力が入るのか――米国発スポーツ・ペアレンティングのすすめ』(生活書院)ほか、『帝国化するメジャーリーグ』(明石書店)『子どもがひとりで遊べない国、アメリカ』(生活書院)。分担執筆『21世紀スポーツ大事典』(大修館書店)分担執筆『運動部活動の理論と実践』(大修館書店)。

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