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村田諒太から8歳の長男へ、教えたかった父の「生き切る」という言葉なきメッセージ

長男の無邪気な言葉「もう一回負けたら辞めていい」には続きがあった

 現役続行を決意させた理由の一つが、長男の存在。陥落直後に言われた無邪気な言葉には続きがあった。

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「もう一回負けたら辞めていいからねって言葉が響いたというか、『もう一回負けたら辞めていいからね。だからやってよ!』という言葉が響いている。だから、やって勝つ。それでまた息子に『パパ凄かったろ』って見せてあげたいけど、どうかな…」

 普段は笑みを浮かべながら、落ちついた表情でリングに上がる。しかし、今回は覚悟を決めたような真剣な眼差しで歩を進めた。「これが最後になるかもしれない。絶対に後悔したくない」。国歌斉唱の時も、再戦までに作り上げた細かなルーティーンに集中。人生を懸けたゴングが鳴る。前回1200発超のパンチを浴びた悪夢を拭い去り、とにかく前に出た。

「結局、息子に示したいのは勝った負けたじゃない。自分がどれだけ内面と向き合って、自分自身成長できたかっていうところが大事になってくると思う。世にいう『成功』というものを彼に求めているわけでは全くない。たぶん、世のお父さんはみんなそう思っている。息子に成功してほしいとか、社会的な地位を持ってほしいとか思う人は中々いないと思うんですよ。

 息子が棺桶に入る時に『俺の人生楽しかった。幸せだった。生き切ったよ』って言えるような人生を送ってほしい。だからそのためには、まずは自分自身が生き切ること。そこにフォーカスを当てたい」

 ベルトを失って数週間、家族と過ごす温かい時間の中で芽生えた「明日死ぬとして、あの試合でいいのか。それは嫌だ。あのボクシングで終わりたくない」という後悔。数十年先、その感情を抱えたまま人生を終える姿は見せられない。再起を決断してからおよそ8か月。敵を倒すため、やり残しを作らぬため、いつだって「今」を全身全霊で駆け抜けた。

 魂とともに後悔の念も燃やし尽くした334秒のリング。戦いを終えて家族と再会すると、息子が抱きついてきた。「パパ、カッコ良かったよ」。父の役目を果たせてホッとしたのもつかの間、次の瞬間に「明日、野球できるの?」と、はしゃいだ声が飛んできた。

「いつも僕がキャッチャーになってキャッチボールをするけど、さすがに試合後すぐに中腰はつらいなぁ。たぶん、またキャッチボールをする日々に戻るんだと思います」

 父として示したかった、村田諒太の「生き切る」という姿。死力を尽くした背中には、愛息へのメッセージが込められていた。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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