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「あれこそが彼の強さだと思う」 失神KO勝ち世界王者も敬意を示した佐々木尽という男、八王子から世界に言い放った闘志の言葉

ボクシングのWBO世界ウェルター級(66.6キロ以下)タイトルマッチ12回戦が19日、東京・大田区総合体育館で行われ、挑戦者の同級2位・佐々木尽(八王子中屋)が同級王者ブライアン・ノーマン(米国)に5回失神KO負け。完勝した王者ノーマンは、東京・八王子から世界を志す佐々木へのリスペクトを示した。戦績は23歳の佐々木が19勝(17KO)2敗1分、24歳のノーマンが28勝(22KO)2無効試合。

ブライアン・ノーマン(右)と対戦した佐々木尽【写真:中戸川知世】
ブライアン・ノーマン(右)と対戦した佐々木尽【写真:中戸川知世】

完全敗北も中量級を盛り上げた佐々木尽

 ボクシングのWBO世界ウェルター級(66.6キロ以下)タイトルマッチ12回戦が19日、東京・大田区総合体育館で行われ、挑戦者の同級2位・佐々木尽(八王子中屋)が同級王者ブライアン・ノーマン(米国)に5回失神KO負け。完勝した王者ノーマンは、東京・八王子から世界を志す佐々木へのリスペクトを示した。戦績は23歳の佐々木が19勝(17KO)2敗1分、24歳のノーマンが28勝(22KO)2無効試合。

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 初回から積極的なボディージャブを放つ佐々木だったが、開始40秒で左フックを被弾。いきなりダウンを奪われた。すぐさま立ち上がるも、このラウンド中盤に2度目のダウンを喫した。気迫を全面に出して戦ったが、5回にノーマンの強烈な一撃をまともに浴びた。佐々木は大の字に倒れ、試合は終了。担架で運ばれ病院に救急搬送された。

 ノーマンは闘志を見せた佐々木に敬意を示した。試合後の会見で「彼がどうして日本のトップに君臨していたのか理由がわかった。皆さんも見ましたよね? 1ラウンドで2回ダウンを奪ったにもかかわらずすぐに立ち上がった。あれこそが彼の強さだと思う」と称えた。

 試合の中盤、“もっと来い!”と言わんばかりに佐々木が挑発するシーンがあった。ノーマンは「最高だと思ったよ。気合があって。ああいったところがあるからこそ、人気があるのだと思った」と絶賛。その上で「自分自身はスマートに戦おうと(挑発に)付き合わなかったが、彼の姿勢は好きです」と王者の風格を漂わせた。

 試合終了直後、「尽、ありがとう!」の声が会場の至る所で飛んだ。中量級を盛り上げようと、取り組んできたことが、1つ実を結んだ瞬間でもあった。全てが「歴史を変えるため」の行動。試合発表会見でメッセージを添えたステッカーを報道陣に配ったこと。地元・八王子の駅前で行った異例の公開練習。破天荒だが真面目で親しみやすい人柄が人を惹きつける。この日、夢を叶えることはできなかったが、勇ましく戦う姿は多くのファンを魅了した。

 ノーマンはリング上で「彼は未来のチャンピオンになっていく。それだけの可能性がある選手」と称賛。「待ってろ、世界!」は佐々木が言い続けてきた言葉。世界も佐々木を待っている。

 ウェルター級は過去に日本人世界王者がいない階級だった。これまで辻本章次、龍反町、尾崎富士雄、佐々木基樹が挑戦したが、いずれも敗れている。佐々木で日本人5人目の挑戦となり、日本で同級の世界戦開催は1989年12月の尾崎以来36年ぶりだったが、及ばなかった。

(THE ANSWER編集部・澤田 直人 / Naoto Sawada)

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