自作グッズ、英国から観戦…ラスベガスで出会った人たちが教えてくれた井上尚弥の「国境を越えて愛されるワケ」
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が4日(日本時間5日)、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(米国)との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。世界戦通算23KOで歴代最多記録を77年ぶりに更新。4年ぶりの本場での興行は、モンスターの世界的人気を感じさせるものだった。

現地取材した記者が感じる世界的人気
ボクシングの世界スーパーバンタム級4団体統一王者・井上尚弥(大橋)が4日(日本時間5日)、米ネバダ州ラスベガスのTモバイル・アリーナでWBA世界同級1位のラモン・カルデナス(米国)との4団体防衛戦に臨み、8回45秒TKO勝ちした。世界戦通算23KOで歴代最多記録を77年ぶりに更新。4年ぶりの本場での興行は、モンスターの世界的人気を感じさせるものだった。
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耳をつんざくような歓声が絶対王者を出迎えた。リングに向かう井上を収めようと、総立ちの8474人がスマホを構える。ゴングが鳴ると、一つひとつの動きに客席はざわめき、時には息をひそめた。カルデナスへの声援を「イノウエ!」コールがかき消す。ダウンを奪われた時に上がった悲鳴は反撃とともに喝采に変わった。激闘を制し、拳を突き上げた日本人が間違いなくその場の主役だった。
2021年6月以来、3度目となる本場ラスベガス上陸。大通りに並ぶ巨大電光掲示板にはポーズを決める井上と「怪物」の文字が輝いた。1日(同2日)に行われた到着イベントには300人以上の観客が集まり、3日(同4日)の前日計量でも、先着200人の一般公開枠を求めて長蛇の列が生まれた。新型コロナ禍で制限があった過去2回と違い、ついにモンスターを拝める。試合前から熱気は膨れ上がった。
前日計量の会場に一番乗りしたファンは、メキシコ系米国人のエミリアーノ・フェルナンデスさん一家。午前2時に起床し、カリフォルニア州ロサンゼルスの自宅から車で4時間かけて駆けつけた。開始時間は午後1時だったが、6時間前の午前7時には到着。「息子のためなんだ」。16歳の長男エミリアーノ・フェルナンデスJr.さんは5年前にボクシングを始め、プロを目指す。井上は憧れの存在だ。
「彼のようになれるよう頑張っているよ」とはにかむフェルナンデスJr.さん。日本語で「怪物」と書かれたジャケットを羽織り、井上が表紙を飾った雑誌のサイン入りコピーを広げてくれた。“モンスター愛”が全身から溢れていたが、生で試合を見るのはこれが初めて。「とてもワクワクしているよ!」と親子そろって目を輝かせた。