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田中希実、苦悩と成長を知った2023年 “ありのまま”で24年へ「こんな私ですがどうぞよろしく」

優秀選手賞を受賞した田中
優秀選手賞を受賞した田中

4月にプロ転向「選んだ道を正解にするのは自分にしかできない」

 8月のブダペスト世界陸上は、東京五輪8位入賞した1500メートルで準決勝敗退。雪辱を目指した5000メートル予選は、従来を15秒近く上回る衝撃の日本新記録14分37秒98をマークした。決勝は14分58秒99で8位入賞。日本人過去最高位だった1997年アテネ大会8位・弘山晴美と並び、26年ぶり2度目の入賞の快挙だった。

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「ブダペストで他者を意識して、邪魔な考えを排除して、他者を拠り所にするという気づきを得た」。それが成長。ただ、自分に厳しい性格。自分と向き合うほど苦しくなったが、「自分は抑えようとしても出てくるもの。抑えるのではなく、ありのままの自分をどう生かすかという方向に変わってきた」と前向きに切り替えられるようになってきたという。

 4月にNew Balanceに所属し、プロ転向で覚悟を決めた。世界陸上以外でも世界最高峰のダイヤモンドリーグ(DL)ファイナル6位、世界ロードランニング選手権でも8位入賞(女子1マイル)。9月のDLブリュッセル大会では、14分29秒18でまたも日本記録を更新した。

「プロの道を選択した分、気持ちの浮き沈みが激しかった。選んだ道を正解にするのは自分にしかできない。支えてくださる方の期待に応えられるのは自分だけ。1周回ってありのままの自分が一番いいと思えた1年でした」

 この日のドレスについては「今まではスカートだったけど、北口(榛花)さんが毎年パンツスカートでかっこいいなと思って」と経緯を明かした。緑と迷ったが、ステージの背景が水色だったため、多くの候補の中からオレンジに。「ここまで目立つと思わず恐縮です」と苦笑した。

 来年1月には3回目のケニア合宿に向かい、世界の実力者たちと研鑽に励む。「私が楽しみと思う時はアテが外れる。ケニアは毎回探り探り。どこまでくらいついていけるか。前回は全てにはついていけず悔しかった。今回はつけるようにしたい」。走りで想いを表現するプロランナー。田中希実は2024年も駆ける。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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