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井上尚弥、3階級制覇の舞台裏と幻のフライ級挑戦 大橋会長「今頃4階級王者だった」

マクドネルとの一戦について大橋会長は「本当に来るのかハラハラした」と語った【写真:編集部】
マクドネルとの一戦について大橋会長は「本当に来るのかハラハラした」と語った【写真:編集部】

本当に試合ができるのか…リングに上がるまで安心できなかったマクドネル戦

──いよいよマクドネルの登場ですね。

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「アンカハスとの試合がなくなり、バンタム級に進出することを決めて、マクドネルとの交渉に入りました。マクドネルの場合も、向こうが提示してきた条件を全部のみました。向こうもまさか提示した条件が全部通るとは予想していなかったと思いますよ」

──前回から相手の条件を全部のむという話ばかりですが、もっと駆け引きをするのが通常の交渉ではないかと思います。

「それは分かりますけど、マクドネルは10年間負けていないし、それだけ実績のある相手だった。それを日本にまで来てもらうわけですから、それ相応の待遇というのはあると思います。逆の立場でもそうでしょう。それよりも今回のマクドネルの場合は、試合が決まってからリングに上がるまでが大変でした」

──というと?

「まずはなかなか来日しなくて、試合の10日くらい前には来日するのかと思ったら、ドバイでキャンプをしていて、来日が試合の5日前。本当に来るのかとハラハラしました。あとはご存知の通り減量ですね」

──日本で減量失敗、計量失格がクローズアップされていた時期で、メディアもピリピリしていましたね。

「そうなんです。マクドネルは身体(175.5センチ)がすごく大きくて、それなのに記者会見でも水をがぶがぶ飲んでいる。SNSを見るとリラックスしてコーヒーを飲んだりしてました。本当に大丈夫なかと思っていたら、案の定計量には1時間も遅れてきました。かなり激しい減量をしていて、最後の300グラムを落とすために1時間遅刻したそうです。あとから聞いた話では、宿泊先のホテルの部屋はびしょびしょになっていたそうですね」

──計量会場でのマクドネルの憔悴ぶりはすごかったですね。実際に翌日の試合までに12キロ増やしましたから、相当過酷な減量だったと推測できます。

「そもそも計量会場のホテルに到着した時点でフラフラで、いきなりロビーで転んでしまったほどです。あれで骨折でもしたらと思うと怖かったですね。実は試合当日もなかなか会場入りしなかったんですよ。私は尚弥の弟の拓真の試合のとき、試合中にコーナーの下から『マクドネルはホテルを出たのか!』と電話していたくらいです(笑)」

──試合当日になっても安心できなかったのですね。

「もうこんなに相手のことを心配したのは初めての経験でした。普通は相手選手の減量なんて『失敗して最悪の体調でリングに上がってくれ。そうすればこっちが有利になる』くらいに思うものなんです。でも今回は違いました。マクドネルが入場して、転ばないで階段をのぼってリングに入ったとき、試合前なのに『ああ、オレの仕事は終わった』とほっとしましたから。まあ、試合は勝つだろうから適当にやってくれという感じで(笑)」

(渋谷 淳 / Jun Shibuya)

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