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ラグビー日本代表「W杯メンバー33人」大予想 ポジション別“勢力図”から考察するベスト布陣は?

日本代表屈指の激戦区である「FW第3列」

【FW第2列】
[4]左LO(ロック)
ジェームス・ムーア(浦安D-Rocks)
ジャック・コーネルセン(埼玉WK)
△ヘル・ウヴェ(クボタスピアーズ船橋・東京ベイ)
▲サウマキ・アマナキ(神戸S)
[5]右LO
ワーナー・ディアンズ(東芝ブレイブルーパス東京)
アマト・ファカタヴァ(リコーブラックラムズ東京)

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 日本にとっては常にコーチ泣かせのポジションと呼んでいいだろう。世界各国の2メートル級の選手を見ると、日本がなかなか追いつけないのが現状だ。201センチのディアンズの成長は願ってもない収穫だが、もう1人のLOは従来通り高さへの挑戦。結果的には前回までのW杯同様に、身長の勝負は断念して、ラインアウトでボールを捕球するジャンプ力や、タイミングで捕球する敏捷性を重視したセレクションが行われている。同時に以前のコラムでも紹介したように、日本代表はFW第2、3列の敷居を取り払った括り方で選手選考、起用を考えている部分もある。

 その結果として、LO兼FLとして7、8月の代表戦ではFLに専念したコーネルセン、BR東京ではFL、NO8しかプレーしていないにもかかわらずLOで全試合に先発したファカタヴァのような機動力が強みの選手が選ばれてきた。W杯メンバーの当落も、LOだけではなく、第3列の人数枠との兼ね合いが影響するだろう。ヘルも△としたが、3列の選手との兼ね合いで選考が影響される可能性を残す。

 ディアンズは合宿中の怪我などの影響で7月からの国内での代表戦は出場を回避したが、そのサイズ、昨季のフランス戦などで見せた強豪国相手にも接点で十分に戦えたフィジカリティーで当確は間違いないだろう。コンビを組むのは、跳躍力を武器にラインアウトジャンパーとしても機能し、常にタックルでの高いワークレートが光るムーアが最右翼。コーネルセン、ファカタヴァ、ヘルの3枚が、3列への投入にも備えながら、怪我、リザーブ要員としてLOをカバーする。キャップ0のサウマキは、LOとしてのサイズの小ささ、実戦のないまま国内試合を終えたことを考えれば難しい立ち位置だが、スピードとフィジカルを持ち合わせた高いポテンシャルは“隠し球”としては興味深い存在だ。

【FW第3列】
[6]ブラインドFL(フランカー)
リーチ・マイケル(BL東京)
※ベン・ガンター(埼玉WK)
▲※下川甲嗣(東京SG)
[7]オープンFL
※ピーター・ラブスカフニ(S東京ベイ)
福井翔大(埼玉WK)
[8]NO8(ナンバーエイト)
姫野和樹(トヨタヴェルブリッツ)
※テビタ・タタフ(東京SG)
▲ファウルア・マキシ(S東京ベイ)

 FW第3列は、ゲームの勝敗にも関わる重要なポジションでもあり、日本代表屈指の激戦区だが、コアメンバーはジョセフHCの頭の中では固まっているのではないだろうか。FLではリーチ、ラブスカフニが夏の代表戦で揃ってレッドカードの出場停止処分を受けたが、そのポテンシャル、経験値は日本代表のプール戦突破には欠かせない。

 従来はアタッカーとして活躍してきたリーチだが、ここ数シーズンは所属チームでも防御面での活躍が目立つ。2008年から日本代表として戦ってきた豊富なゲーム経験に裏打ちされた判断力が、ゲームの流れの中での危機察知に生かされる。相手のキーマンへの反応も、持ち味のスピードが生きている。ラブスカフニは、結果的に今年の代表でのプレー時間がわずか6分でW杯に臨むことになるが、タックル、接点でのボール争奪と、ボールを持たないプレーでの能力で右に出る選手は少ない。

 NO8は、このポジションに求められるパワフルに前へ出る推進力ならタタフだが、怪我、反則の多さ、スタミナなど不安定要素が多いため姫野のスターターが濃厚だろう。姫野の場合は、リーチとのポジション変更も戦術上あり得る。シンプルなパワーゲームというプランの試合ならタタフを8番に置き、姫野のFL起用という選択肢もあるはずだ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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