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U20日本代表の秘密兵器に? 英名門大に通う19歳、母の祖国で追うプロラグビー選手になる夢

U20日本代表合宿に参加後、取材に応じたハリーはラグビーへの熱い思いを語った【写真:吉田宏】
U20日本代表合宿に参加後、取材に応じたハリーはラグビーへの熱い思いを語った【写真:吉田宏】

ペニーHCもハリーのポテンシャルを評価

 パンデミックの影響で4シーズンぶりの国際大会に挑むU20日本代表。過去のチームは常に留学生ら外国人選手を数人加えて、海外強豪国とのパワー、サイズの差を補ってきた。最近では、日本代表で活躍するCTB(センター)シオサイア・フィフィタ(花園近鉄ライナーズ)、NO8(ナンバーエイト)アシペリ・モアラ(S東京ベイ)らがメンバー入りして活躍してきた。だが今回は規約上、外国出身選手が不在のため、192センチ、106キロというハリーのサイズとフィジカリティーは貴重なパワーハウスになる可能性を秘めている。

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 英国人のハリーだが、日本人の母親を持つために代表規約もクリアする可能性が極めて高い。過去にはU20ニュージーランド代表も率いた経験を持つペニーHCは、合宿で初めてプレーを見たイングランド人の“練習生”を、こう評価する。

「彼のプレーを今日見られることを楽しみにしていました。これから先、すごくチャンスがある選手だと思う。サモア遠征(4月28日から遠征中)の選出は難しいが、その先に彼がチームに入れる資格があるかも確認した上で、話を進めていくことになるだろう。これからフルコンタクトの状況でどこまで見せることができるかだが、ポテンシャルはすごくある」

 ハリー自身も「スピアーズとU20でプレーすることで、自分がラグビーでどれだけ成長したかを実感できました。 それは僕を、より野心的にし、プロになるために何が必要かを認識させてくれました」と、今回の合宿がさらに楕円球への思いを後押ししたようだ。S東京ベイのFW担当ACとして、昨夏からハリーのプレーを見続けてきた今野達郎にも、この19歳のポテンシャルを聞いてみた。

「19歳という年齢を考えなくても、自分からコンタクトで当たりにいけるところはいいですね。練習生という立場で、プレー面では分からない部分もたくさんあるなかで、自分のいい部分を出せるのは良いものを持っていると思う。課題は細かいスキル。そこの粗さはまだありますね。ただし、これは時間をかければできる部分ですから。今のウチのコーチングはすごく良いので、もっと日本で時間をかけてプレーできれば必ず伸びる選手」

 一方で、英語でコミュニケーションを続けてきた田邉ACは、チームでの今後の可能性について「まだ大学も残っている。今後どうしていくかは確認していかないといけないが、今の時代はオンラインで授業を受けられるシステムもある。大学によっては、海外に滞在していても、そういうサポートができることもあります。U20世代の日本の選手でも、(誕生日が)数か月違いで選ばれない子もいるのに、ハリーのようなチャンスに恵まれる人もいる。何かの巡り合わせかなと思います」と指摘する。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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