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U20日本代表の秘密兵器に? 英名門大に通う19歳、母の祖国で追うプロラグビー選手になる夢

フランカーとして日本特有の低いスクラムに取り組む【写真:吉田宏】
フランカーとして日本特有の低いスクラムに取り組む【写真:吉田宏】

田邉淳ACがU20日本代表のスタッフ入りしていたことで運を後押し

 ハリーが学ぶダラム大はオックスフォード、ケンブリッジにも並ぶほどの英国屈指の名門大学だが、ラグビー界でもイングランド代表主将に当時最年少の22歳で選ばれたCTB(センター)ウィル・カーリングなどの名選手も輩出する。ハリー自身は、自身の選択をこう語っている。

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「ダラムを選んだのは、優れた学問を提供してくれるだけでなく、一流の大学ラグビーチームでもあるからです。僕が進学を決めた年のリーグチャンピオンでしたし、母が試合を観戦するためには非常に近い場所でもあるしね!」

 大学ではビジネスと経営を学んでいるハリーだが、将来に向けてはラグビーへの強い思いを語っている。

「ラグビーを始めて以来、プロのラグビー選手になるという野心を持っていました。まだそんな目標を持ち続けています」

 そんなハリーだが、S東京ベイの田邉淳アシスタントコーチ(AC)がU20日本代表でもコーチングスタッフ入りしていたことがさらに運を後押しした。同コーチが英語に堪能なこともあり常にコミュニケーションを取り合っていたが、ハリー自身が同じ世代の選手たちが集まる同代表候補合宿に参加できないかと相談したことから、チャンスが転がり込んできた。田邉ACが合宿参加までの経緯を振り返る。

「今回、ハリーがたまたまウチに練習に来ている時に候補合宿があったので、ロブ(ペニーU20日本代表ヘッドコーチ=HC)に確認すると、(日本代表)資格もあるし、たまたま(スピアーズの練習も)休みだったし、同世代の選手で本人も行きたいというので(実現した)。まぁ、代表に選ばれるかというのは別の話ですけれどね」

 では、代表に選ばれるための最も肝心な実力はあるのだろうか。初めて候補合宿に参加した19日の練習では、興味深いシーンを見ることができた。スキルやFW(フォワード)、BK(バックス)に分かれてのユニット練習の後に、チームを2つに分けての実戦形式のメニューが行われ、ハリーも日本代表の練習ジャージーを纏ってFLとして出場したのだ。

 20分程度の“実戦”では、最初は様子を見ながら遠慮がちにプレーしていたハリーだったが、パスを受けると力強いボールキャリーで前に出て、フィジカリティーの高さを印象づけた。このファーストキャリーを見た同じチームの選手たちは、密集サイドで積極的にハリーにボールを持たせて相手防御に突っ込ませた。まだ正式な候補メンバーでもないハリーだったが、まるで通過儀礼にパスしたかのようにチームに溶け込んでいった。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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