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那須川天心、井上尚弥の話題に言葉少なの理由 「今は新人。まだ言えない」の真意とは

ボクシングへの対応を進める日々「全く違うスポーツ。奥が深い」

 那須川が「新人」と繰り返す通り、まだデビューすらしていない。プロテスト合格からまだ4日。そんな選手と「日本史上最高傑作」と称されるモンスターが、現時点で拳を交えることは非現実的。ここで多くを語る方が違和感を生むはずだ。

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 キックも「ボクシング」のフレーズが入った競技だが、似て非なるものだ。対応に励む那須川こそが、「短距離走が長距離走になる。それくらい全く違うスポーツ。『手になっただけじゃん』っていうけど、そんなことはない。奥が深い」と理解している。帝拳ジムの本田明彦会長も「まだ基本ができていない。その形をつくらないといけない」と基礎づくりに集中する段階だ。

 この日の囲み取材。15分ほど経ったところで、関係者が打ち切ろうとした。しかし、神童は「もうちょいやりたいです。まだ喋りたい」と続行。約22分に渡って練習状況、競技の違い、世の中に伝えたいこと、家族の話まで丁寧に答えた。

 WBAスーパー&WBC世界ライトフライ級統一王者・寺地拳四朗(BMB)の3団体王座統一戦、WBA世界バンタム級2位・井上拓真(大橋)の王座決定戦の世界戦2試合を含む大型興行。米スポーツ専門局「ESPN+」のほか、欧州、南米などデビュー戦では異例の世界配信になる見込みだ。那須川が日本バンタム級4位の与那覇に勝てば、日本ランクに入ることが見込まれる。

「(勝って)ランキングに入っても、そこは目指していない。でも、形ですよね。世間的にはそこも大事。そういう人に向けて真剣な姿を見せたい。『最短で世界王者を』と思っている人もいると思うけど、僕はあまり考えていない。納得できることが出せないといけない。いけると思ったタイミングで挑戦すると思う。やるべきことはわかっている。新人ですから。やるしかない」

 一歩ずつ、着実に。入学式シーズンに迎えるデビュー戦。ボクサー1年生として扉を叩く。

(THE ANSWER編集部・浜田 洋平 / Yohei Hamada)

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