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亀田興毅氏、稼げないボクサーに抱く危機感 「必死こいて減量して、収入もなく…」

元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロデュースするボクシング興行「3150FIGHT Vol.4」が、6日にエディオンアリーナ大阪で行われる。WBO世界ミニマム級王者・谷口将隆が2度目の防衛戦、IBF世界同級5位・重岡銀次朗(ともにワタナベ)が世界初挑戦を予定。ダブル世界戦のほか、興行の全カードをABEMAが無料生配信する。

選手たちの「ファイトマネー倍増」を掲げる亀田興毅氏【写真:浜田洋平】
選手たちの「ファイトマネー倍増」を掲げる亀田興毅氏【写真:浜田洋平】

「1.6」に初の世界戦開催、プロモーター・亀田興毅氏に直撃・後編

 元世界3階級制覇王者・亀田興毅氏がプロデュースするボクシング興行「3150FIGHT Vol.4」が、6日にエディオンアリーナ大阪で行われる。WBO世界ミニマム級王者・谷口将隆が2度目の防衛戦、IBF世界同級5位・重岡銀次朗(ともにワタナベ)が世界初挑戦を予定。ダブル世界戦のほか、興行の全カードをABEMAが無料生配信する。

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 亀田氏は現役引退後、地元・大阪にプロボクシングジムを設立し、会長に就任。そして、新世代プロボクシングイベント「3150FIGHT(サイコウ・ファイト)」を立ち上げた。2021年12月に第1回を開催。2022年8月にはジムの会長職を実弟の亀田大毅氏に譲り、自身はプロモーターに専念。今回が自身の手掛ける4回目の興行となる。「最高のボクシングの再興」を掲げる36歳の若きプロモーターは、頭に何を描いているのか。後編では「ファイトマネー倍増計画」などについて語ってもらった。

 ◇ ◇ ◇

 2022年7月、亀田氏は「ファイトマネー倍増計画」を発表した。従来の相場から2倍の金額を現金で支払う試み。視線は現実を見ていた。

「僕は危機感を持ってます。危機感でしかない。このまま誰も手をつけなかったら終わるでしょ」

 2022年は日本人世界王者による王座統一戦が5試合も行われ、業界としても活況を見せていた。しかし、トップ選手の試合は爆発的大反響を呼ぶ一方、トップ層ではない選手はアルバイトで生計を立てる人もいる。時に、その中には日本チャンピオンも。亀田氏は、トップ選手になるまでの道筋について強調した。

「トップ選手は凄いですよね。でも、その選手たちが引退したらどうなりますか。次のチャンピオンをつくるのはもちろんですが、そのチャンピオンをどうやって売り出すのか。名前が売れるまでに明確な道筋がない。突然変異はなかなかできない。これからそういう子たち全員がどんどん稼げるようにしないといけない。(デビュー直後の)4回戦の子たちを見てください。みんなファイトマネーがないから、チケットを自らの手で売っていますよ」

 もちろん現金払いのジムもあるが、亀田氏はジムが選手にファイトマネーとしてチケットを渡すケースがあることを指摘した。

「井上選手、井岡選手、寺地選手、京口選手など、僕が現役の時よりも優れたボクサーが誕生してきている。これは以前から何度も言ってることなんですが、その時代のスターが引退したら氷河期に突入するのは極めて属人的な業界としかいえない。日本プロボクシング100年の歴史で築き上げたインフラを活用し、3150FIGHTのプラットホームを利用して業界の底上げを図りたい。僕が経験してきた成果と反省を今に活かしたい」

「3150FIGHT」は2021年12月の第1回に続き、22年にも4月と8月に開催された。亀田氏は「ファウンダー(創業者)」としてスポンサー営業、マッチメーク、ファイトマネーの交渉、広報活動など多方面の業務に携わっている。その中でスポンサー収入を原資とし、「ファイトマネー倍増計画」を試みている。

「現金でファイトマネーを渡しますから、。そこからさらに選手たちでインセンティブが欲しければ、チケットを売ったらいい。その時は、破格の値段で卸してあげています。それもこの業界最高の水準だと思います」

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