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“北半球最強”フランスに惜敗 ラグビー日本代表、会心の2トライと後半に見えた差

チャンスを作りながら後半無得点でノーサイド

 そんな煌めく瞬間を見せた日本も、結果はフランスに2戦2敗。だが、敗因も明らかだ。

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 フランスを上回る鮮やかなアタックも見せたが、80分間でトライに結び付けたのは、この2回だけ。リーチも「カウンター攻撃でボールを外まで持っていけば、フランスの防御は流してくるシステムだった(のでチャンスが作れた)。でも、なかなか攻撃、継続ができなかった。ボールが汗で滑ったり、ノックオンしたり、ラックで相手に絡まれて、自分たちの反則も多かった」と、攻撃チャンスの少なさ、精度の低さを悔やんだ。

 5点差以内の競り合いが続いた後半33分には、途中出場のNO8(ナンバーエイト)テビタ・タタフ(東京SG)がラインアウトからの右展開でインゴール左中間に飛び込んだ。ゴールも至近距離のため22-20の逆転と思われたが、TMO(ビデオレフェリー)の結果、タタフのノックオンでノートライ。スコアは動くことなく、ノーサイドを迎えた。フランス代表を追い詰めたという感触は選手、ファンも掴んだ試合だったが、その一方で、後半の日本はチャンスを作りながらもスコアレスという結果に終わった。

 この後半無得点というストーリーを、どう評価するべきか。日本代表を知り尽くした男、リーチの言葉が1つの判断材料になる。

「(勝つために必要なのは)継続ですね。どれだけボールを大事にして、継続できるかが日本代表の鍵だと思う。相手防御を崩して、崩して、スペースが生まれる。それが一番しないといけないこと」

 要は、この日見せた閃光のような2つのトライを、W杯の舞台で、すでに対戦が決まっているイングランド、アルゼンチン相手に何回見せることができるのか。相手のスコアを上回るトライを奪えるかが勝負になる。この可能性にも、リーチは前向きだ。

「今回は(強化)時間が足りなかったとかじゃなくて、新しい選手もたくさんいるなかで、ティア1の相手に勝つ準備をしてきて、勝てる雰囲気もあった。でも密集戦でのプレッシャーや、ミスが続いて、少しナーバスになった。そういうのがテストマッチ。この経験をプラスにしていかないといけない」

 今回のフランスとの2試合の経験で、日本代表が現在の立ち位置よりも間違いなく進化すると確信しているリーチだが、その背景にあるのは、やはり新しい戦力の台頭だ。

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吉田 宏

サンケイスポーツ紙で1995年からラグビー担当となり、担当記者1人の時代も含めて20年以上に渡り365日欠かさずラグビー情報を掲載し続けた。1996年アトランタ五輪でのサッカー日本代表のブラジル撃破と2015年ラグビーW杯の南アフリカ戦勝利という、歴史に残る番狂わせ2試合を現場記者として取材。2019年4月から、フリーランスのラグビーライターとして取材を続けている。長い担当記者として培った人脈や情報網を生かし、向井昭吾、ジョン・カーワン、エディー・ジョーンズら歴代の日本代表指導者人事などをスクープ。ラグビーW杯は1999、2003、07、11、15、19、23年と7大会連続で取材。

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