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Bリーグ三河が粋な計らい 敗退直後に“他会場中継”、対戦相手に尽くした演出の舞台裏

三河まで応援に訪れた川崎のファンも、ビジョンに映された千葉戦の映像を祈るように見つめていた【写真:B.LEAGUE】
三河まで応援に訪れた川崎のファンも、ビジョンに映された千葉戦の映像を祈るように見つめていた【写真:B.LEAGUE】

川崎とそのファンに「喜んでもらえることをやりたい」

 三河のホームゲームの演出や進行を担当する、クラブスタッフの福澤孝さん(事業運営グループ ファンエンターテインメントチーム)によると、4日の試合が終わり、川崎の東地区優勝の可能性が高まったタイミングで、想定されるいくつかのパターンの1つとして、同時刻に始まる千葉×渋谷の中継というアイデアが組み込まれたという。

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 福澤さんをはじめとする三河のスタッフたちは当時、自チームが川崎に1勝以上してCSに進むと信じて疑っておらず、翻って中継を実施する可能性をあまり重く受け止めていなかった。しかし、7日の第1戦に敗れたことで状況は変わった。

「7日朝の時点では『うちの試合が先に終わって、千葉×渋谷が残り5分くらいまで進んでいたらやってもいいんじゃない?』くらいにしか考えていなかったんですが、敗れたことで『本当に5分で大丈夫か?』と考え、千葉さんと渋谷さんのゲームをそれぞれ3試合ずつ視聴して、試合時間を測ってみたんです。すると第4クォーターのオフィシャルタイム明けから試合終了までの所要時間は、平均で16分13秒。思っていた以上に長く、選手のコンディション的にも中継的にも厳しいことが判明したので、『じゃあ残り3分からどうだろう、2分だったら……』とそれぞれの時間を計算し、うちの試合が終わり、千葉×渋谷が残り1分以下だったら中継しようとなりました」(福澤さん)

 繰り返すが、三河が川崎のために中継をする義理はない。なんなら「やっぱりナシで」とすることもできただろう。しかし、福澤さんをはじめとするスタッフは複数パターンの台本を作成し、すべてのパターンを想定したリハーサルを行い、試合中は控え室で千葉×渋谷の試合を追い、中継を実施した。その決め手となった思いについて、福澤さんは話す。

「もちろん、中継を見ることでつらい思いをするお客様や選手が出ることは予想しました。それでも川崎さんとそのファンに喜んでもらえることをやりたい、というのが我々の出した結論でした」

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