プロテスト6度で4度最終進出、強気に見える容姿も「自信が…」

　染めた金髪がトレードマークで強気にも見えるが、「実はなかなか自信が持てないタイプ」と言う。だが、この予選会に懸ける思いは強く、「この1週間、SNSを見ることを一切しませんでした。普段は他選手のインスタを見ては、状況を気にしたりしていますが、自分のことに集中するためにそうしました。それも意味があったと思えます」と明かした。

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　識西を応援してきた人たちも、この結果を喜んだ。キャディーバッグを担いでともに36ホールを歩いた井上コーチは「すごくうれしいです。僕の中では早く世に出したい、見てほしい選手です。アメリカにも一緒に行くことにしました」。20年3月から設立されたDSPE（ツアープロを目指す女子ゴルファーを支援する団体）のスタッフたちも歓喜し、運営担当の1人は「4月の月例会も、6アンダーで2位に5打差をつけて優勝しています。圧倒的に強い存在になっています」と実感を込めた。

　今年の全米女子オープン本戦は、6月2～5日にノースカロライナ州のパインニードルズ・ロッジ＆GCで開催される。米女子ツアーにも強い憧れを持つ識西は「（国内の）ツアーに出られない身分なので、アメリカのメジャー大会に出られること自体が楽しみで仕方ないです。USLPGAに出ている選手のインスタは全員フォローしていますし」と笑みを浮かべた。予選会通過で「SNSチェック」を解禁し、自身のインスタも更新。フォロワーに向けて目標達成の報告をし、井上コーチやトレーナーへの感謝をつづった。本戦まで残り約1か月。当面はインスタを楽しみながら、徐々に状態を上げていく。

■識西諭里（おにし・ゆり）
　1997年（平9）4月16日、福岡県生まれ。福岡第一高卒。10歳でゴルフを始め、中2で出場した試合で「ハーフ33」を記録。全国高校選手権3位、福岡県アマチュアゴルフ選手権優勝。16年にアマ資格を放棄してプロ宣言。台湾ツアーに参戦し、シード権を取得した実績もある。19年度のプロテストは2次予選で1打足りずに最終に進出できず。ここで「コーチが必要」と考え、井上氏のインスタグラムなどにDMを送り、門下生になることを志願した。ドライバー平均飛距離250ヤード。166センチ。家族は両親、兄。

【2022年全米女子オープン　日本予選会通過者】
1位（-9）濱田茉優（68、67）
2位（-8）識西諭里（67、69）、高木優奈（67、69）
4位（-5）早川夏未（68、71）、※馬場咲希（69、70）、※伊藤二花（71、68）

　4位の3人は、同スコアのアマ吉田鈴を含めた4人によるプレーオフで通過。※はアマチュア。