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アジアV3逃した熊谷紗希が繰り返した「危機感」 世界の頂に立った主将が知る日本の課題

女子W杯出場という最低限の目標達成も見えてきた課題

 ほとんど守備に回る時間がなかったグループリーグの2試合とは異なり、第3戦の韓国戦では今大会初めての失点を喫した。日本が1点をリードしていた85分にジリジリと押し込まれ、最後はCKから失点を許したが、DFリーダーでもある熊谷は「守らないといけない、でも引いてはいけない」という反省点を口にした。

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「立ち上がりの相手がまだ準備できていないなかで先制点を決めるといういい入り方をしたゲームでしたし、前半のほとんどを自分たちがボールを保持しながらいいゲーム運びができていました。そんななかでもう1点、追加点が欲しかったという試合でした。ただ、1点リードしている状況で、チームとしてどうゲームをコントロールしていくのか。そういう状況では当然、相手も1点を取りに来るだろうし、形を変えてくるチームもある。韓国戦もそうだし、準決勝の中国戦でもそうですけど、自分たちが守らないといけないと同時に、引いてはいけないことがすごく反省点としてあります」

 同時に、見えてきたチームとしての課題も加える。

「韓国戦では守備面もそうですけど、前半と違ったのは自分たちがなかなかボールを保持できなくなって、相手にボールを持たれる時間が長くなってしまったことです。そうなると前にボールを放り込まれると分かっているのに、ボール保持者に寄せられなくなって、CKなどのセットプレーに持って行かれてしまった。結局、押し込まれるような形を自分たちで作ってしまっていたんです。ボールを保持することが目的ではないですが、それでもやっぱり自分たちがボールを持てる時間を長くしないと苦しくなります。それと、単純なことですが、ボールに寄せるところと、前に押し出すところは勝っている状況でも続けないといけないところだと感じました」

 なでしこジャパンは首位でグループリーグを通過し、準々決勝ではタイに7-0と大差をつけて勝利。来年の女子W杯の出場権を獲得した。チームとして、まずはW杯出場権獲得、次に大会3連覇という目標を掲げていただけに「ホッとしたのでは?」と訊ねると、「とりあえず最低ラインというか、最低限のことができたなという感じでした」と少し様子が変わった。

「そもそもアジアカップを取りに行ったので。逆にちょっと、そのW杯出場を決める試合で7-0というのはアジアのレベルとしてどうなのかなと感じました」

 世界を相手に10年戦ってきたからこそ、納得できないところもあったのだろう。「危機感しかない」と語気を強めた。

「仮にアジアを取っていたとしても危機感は多分変わらないと思います。実際には取れていないからこその危機感ももちろんあります。それに実際に戦ったから感じるのですが、あの中国がアジアで1位でした。でも世界に行ったら、中国どころか、アジアのチームはどこも予選を勝ち上がることは厳しいと思います。この大会をとおして、このままじゃいけないという危機感を感じました。本当に危機感しかないです」

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